黒犬と黒姫
□行き当たりばったり?
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…聞いてしまった。
聞いたらいけない事を聞いてしまった。
『なあ…どうやったらお前は手に入る?』
まさか、会って間もないブラックに言われるとは思わなかった。
他の人達にも言えることだけど、どうしたら人をそんなに簡単に好きになれるの?
「……冗談だよね」
ブラックはプレイボーイだって、リリー言ってたし…。
「でも…」
あの時のブラックの顔は、冗談を言ってる様には見えなかった。
「………」
ブラックの事は嫌いじゃないし、友達としてはそりゃ好きだけど…。
『別に嫌ってねえよ』
あれ?て、事はーーあれはそういう意味?!
「………やめた」
今考えたってこんがらがるだけだ。
それに、下手に意識したらブラックの事、避けちゃいそうだし。
「されてから考えよう!」
そう考えていた紫苑だったが、ブラックから告白された紫苑は特に考える事なくOKしてしまうのだが、それはもう少し後のお話し。