黒犬と黒姫


□ダイアゴン横丁
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〉ダイアゴン横丁


「ここが…」


目の前に広がる世界に、私はただただ驚いた。
行き交う人の群。その中には、黒い尖り帽子にローブという魔法使いの姿に、ゴブリンと呼ばれる者たちの姿もちらほら。
私は、改めて違う世界に来てしまったことを痛感した。


「はぁ…」


今更どうにもならないし…。私は考えるのを止めて、栄次さんに渡された地図と買い物リストを照らし合わせる。


「杖は最後の方がいいって、鶴さん言ってたから…よし!」


先ずは制服!そう決めて、私は“マダム・マルキンの洋装店”へ向かった。




地図を頼りに歩く事5分ーーなんとかマダム・マルキンの洋装店にたどり着く事が出来た。


“マダム・マルキンの洋装店”


中に入ると「いらっしゃい」と言う声とともに、ふくよかな女の人に出迎えられた。


「あなた新入生…じゃないわよね?」


「はい。編入する事になって…それで」


「そう。じゃあ、ここに立って」


女の人に言われるままに指定された場所に立つと、何やら作業がはじまる。


「はい。いいわよ」


「ありがとうございました」


私はそう言ってお金を払い、家の方へ送って貰えるよに頼んで店を後にした。
と、店を出てすぐに後ろから呼び止められた。




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