黒犬と黒姫
□知らない記憶
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「不思議な子と会った」
「不思議な子?」
「うん…」
レポートを終わらせて寮に戻る途中、偶然会ったリリーに図書館で会った少年の事を話した。すると、
「どんな人だったの?」
と、聞かれた。
私が彼の特徴を言うと、どうやらリリーの知り合いらしく、彼の名前を教えてくれた。
「セブルス?」
「ええ、彼の名前はセブルス。
セブルス・スネイプって言うの。
私はセブって呼んでるんだけどね」
懐かしいーー…
「………あれ?」
「どうしたの?」
「う、ううん…何でもない。それより、早く寮に戻ろう?」
「え、えぇ…」
何とかその場をごまかして私達は寮に戻った。
“セブ”
らそう聞いた時、私、“懐かしい”って思った。
なんで懐かしいなんて、思ったんだろう?
一度も聞いたことない筈なのにーー
『セブ!遊ぼー』
「ーーえ?」
なに…今の……。
私はーー彼を知ってるの?
ズキン
「つっ……」
この日を境に私は、知らない筈の記憶と、頭痛に悩まされる様になる。