黒犬と黒姫
□組み分け
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新入生の組み分けが終わり、編入生の紹介ーーつまり、紫苑の紹介がされた後、紫苑の名前が呼ばれた。
「弥守紫苑」
その瞬間、それまで騒がしかった広間はシーンと静まり返る。
(そんなシンとしなくていいだろうに…)
心の中でそう呟きながら、壇上へ上がる。
壇上の上にはイスと帽子。紫苑がイスに座ると、帽子を頭にのせられ紫苑の組み分けが始まった。
『ほおー、面白い生い立ちをしとるのお』
『…どうも』
『知識に溢れ、勇気、優しさーーそれに野心も持ち合わせておるな…ウ〜ム』
『優しさなんて持ってないと思うけど?』
『そんな事はない…キミはちゃんと優しさを持っておる』
『そう…どうでもいいや』
『キミは希望は無いのかね?』
困った組み分け帽子がどこの寮がいいか、そう聞いてくるが…
『別にどこでも。……てか、眠い』
返ってきた紫苑の返事に、組み分け帽子は絶句。また悩み始めた。
悩みに悩んだ末、組み分け帽子が出した答えはーー
「グリフィンドーール!」
組み分け帽子はそう声を上げた。
こうして、紫苑のホグワーツでの生活は幕を上げるのだった。
(グリフィンドールか…じゃあ、リリーと一緒か)