黒犬と黒姫


□杖
2ページ/3ページ



それから更に1時間ーー


「これは、桜の木に不死鳥の目、28cm」


いい加減見つかって!そう一心に願って私は杖を振った。
それと同時に、暖かな金色の光が私を包む。


「やったわ、紫苑!」


「えっ?」


リリーの言った意味が分からず、目の前の亭主を見ると、驚いた顔をしている亭主と目が合った。


「まさか、と思いましたが…あなたはヤカミの…」


「…弥守紫苑と言います」


私がそう言うと、これでもかと言うほど目を見開く亭主。
そんな亭主を見て私とリリーは首を傾げるしかなく、元に戻った亭主にどうしたのか聞いたけど、結局何も答えてもらえなかった。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ