イナズマ青春記
□第12話 京都に着きました
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目金に怪我させてしまったらしく、壁山が謝って…、いや謝らされていた。
ゆ「まあ、言い過ぎないの。悪気があったわけじゃないんだから」
目「ですが…」
ゆ「はい?」
目「すみません…」
ゆ「よろしい。あ、栗松も少し足捻ったでしょ」
栗「はいでヤンス…」
り「かなも大丈夫?」
か「多分…」
塔「何でここだけツルツルしてるんだよ…?」
秋「これって…、ワックスじゃないかしら?」
『ワックス?』
皆が同時に呟くと、どこからともなくうっしっしという笑い声が聞こえた。
木「ざまーみろ!フットボールフロンティアで優勝したからていい気になって!」
出たよ、ひねくれ者のイタズラ小僧が。
塔「お前!よくもやったな!」
逃げた少年…、木暮を追おうと塔子が廊下の手すりを乗り越えたが、着地したところには落とし穴があり、見事にはまってしまった。
風「なんなんだ、アイツ?」
り「漫遊寺の生徒だとは思うけど…」
?「木暮ぇーーーっ!!!」
そういう声が聞こえたかと思うと、木暮は逃げていってしまった。
円「…どうなってんだ?」
?「全く、しょうがないやつだ。ちょっと目を離した隙に直ぐにさぼって…。!、大丈夫ですか?」
塔「あ、大丈夫大丈夫!これくらい!」
確かキャプテンの…、垣田大将だっけ?
垣「申し訳ないことをしました。うちの部員がとんでもないことを致しまして」
円「うちの部員?」
一「ってことはアイツ…」
『サッカー部ゥ!?』
染「アイツがかよ!?」
垣「ええ。木暮というんですが、これが困った奴でして…。周りは全て敵だと思っているようで…」
秋「敵?」
垣「ええ。それで私達も、練習させるよりまずは精神を鍛え鍛え直すことから始めた方がよいのではと、1から修行をさせているのですが、いくら説明しても木暮は自分だけが苛められていると決め付けて…。
アイツにとっては仕返しのつもりなんでしょう」
土「かなり性格歪んでんな…」
か「確かにね。いてて…」
目「同じサッカーをする者として、恥ずかしいかぎりですね…、ああ壁山君。もう少し右」
ゆ「後輩に肩を揉ませるお前が言うな」
秋「どうして信じられないのかしら」
垣「木暮は小さい頃、親に裏切られたようで」
春「!、親に…?」
春奈ちゃんが反応した。鬼道を眉をひそめる。てか勝手に人の過去バラすとかデリカシー無いな。あたしだったら絶対に嫌だ。
垣「それ以来、人を信じることができなくなったみたいなんです。で、私達に何か御用でも?」
塔「あ、そうそう」
瞳「実はこちらに、エイリア学園から襲撃予告がきたと聞きまして」
垣「襲撃予告?ああ、そのことですか」
円「俺達も、一緒に戦おうと思ってさ」
垣「そうですか…。では、どうぞ。ご案内致します」
道場へ行く廊下の途中、ふと春奈ちゃんが後ろを振り返ったため、つられて見れば、
ゆ「凄い…!」
掃除をしている木暮が目に入った。てか雑巾が天井を拭いてる?重力逆らってるよ…。まあ、今更か。
春「あれ…!」
ゆ「皆が思っているより、彼の実力は凄いみたいだね」
それにしても、
ゆ「裏切られた、か………。
ははっ」
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