イナズマ青春記
□第12話 京都に着きました
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最近というかここ数日、かなの元気がない気がする。
画面越しに見ると目の前で見るのは違う。ジェミニストームが目の前で消されて、尚且つ助けられたかなのショックは大きいのかもしれない。
ゆ「はあ…」
り「どうかしたの?」
ゆ「ううん、なんでもないよ」
り「ならいいけど…」
円「え?イプシロンから襲撃予告?」
瞳「予告先は、京都の漫遊寺中よ」
とある所でキャラバンを降りて休憩を取っていると、瞳子監督からそう告げられた。
風「漫遊寺中?聞いたことない学校だな」
夏「確か、フットボールフロンティアにも参加してなかったわね」
皆が首を傾げていたら、瞳子監督が説明してくれた。
瞳「漫遊寺中は、モットーが“心と体を鍛えること”で、サッカー部は対抗試合をしないのよ。でもフットボールフロンティアに参加していれば、間違いなく優勝候補の1つになっていただろうと言われる、実力のあるチームよ」
『優勝候補!?』
あ、ハモった。
瞳「厳しい修行で鍛え抜かれた体と、研ぎ澄まされた心を持つ漫遊寺のサッカーは、スピード、パワー、何をとっても超一流。
イプシロンは無差別に学校を襲っていたジェミニストームとは違い、隠れた強豪校に照準を定めてきた…。イプシロンを倒せば、エイリア学園のの本当の狙いがわかるかもしれないわね。
直ぐ漫遊寺へ向かうわよ!」
『はい!』
あたし達が乗り込むと、キャラバンは勢いよく発進した。
か「京都かあ…、八つ橋食べたいな」
ゆ「あのね、観光に行くんじゃないんだよ」
か「わかってるって」
吹「漫遊寺中かあ…、どんなところなんだろ…」
り「さあねえ…」
吹「……知ってるんだよね?」
り「わかってると思うけど、言えないからね」
吹「うん…」
か「ついたね、あっさりと」
ゆ「そりゃあかなはぐーすか寝てましたからね」
り「あはは…」
そんなこんなで京都の漫遊寺中につきました。
エイリア学園からの襲撃予告があったにも関わらず、のんびりとした空気が漂っていた。
風「…なんかのんびりしてるよな」
塔「襲撃予告なんて全く気にしてない感じ」
円「とにかく、サッカー部を探そうぜ」
吹「サッカー部なら、奥の道場みたいだよ」
後ろを振り向けば、両脇に女の子を従えた天然タラシ(わかるよね)がいた。
り「うわあ…」
吹「どうもありがとう」
女子「どういたしまして!」
吹「また何かあったらよろしくね」
女子「はーい」
り「天然タラシ…」
風「…りなでもそういうこと言うんだな」
道場を探して長い廊下を歩いていれば、廊下が光ったように見えた。何かに反射したように見える。
ゆ「あれって…」
そしてその先には蹴球道場という看板がかかった建物。
秋「あれじゃないかしら」
鬼「みたいだな」
円「間違いない!行くぞ皆!」
『おう!』
鬼「はあ…」
ため息をつきながら歩き出そうとした鬼道の腕を、あたしは掴んだ。
鬼「どうしたんだ?」
ゆ「いや…」
その時、
円「だあっ!」
染「うわ!」
栗「いっ!」
土「っ!」
目「おっ!」
風「すまん!」
か「うぎゃあ!」
目の前で盛大な人間ドミノ倒しがおきた。って、
ゆ「かな、あんたまで…」
か「やっちまったぜ…」
鬼「どうしてわかったんだ?」
ゆ「床が不自然に光ってたからね…」
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