イナズマ青春記
□第11話 三度目の正直
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塔子も壁山も、点を取られて悔しそうだけど、『ザ・タワー』、『ザ・ウォール』、『マジン・ザ・ハンド』なら鬼に金棒だと円堂の鼓舞で士気が上がった。
瞳「吹雪君。シュートは解禁よ。フォワードにあがりなさい。点を取りにいくのよ」
瞳子監督から後半の作戦が告げられた。
栗「でもディフェンスはどうするでヤンスか?」
ゆ「もう士郎がいなくても大丈夫だと思うよ。皆、スピードに慣れてきたでしょ?
スピードに対抗する特訓をしてきたけど、実際にやつらのスピードに慣れるには時間がかかるからね。前半は守備の人数を増やしたのは失点のリスクを減らして、スピードを把握するため。
んで、士郎をディフェンスに専念させたのは中盤が突破されたらあのスピードでなければ防げないから」
鬼「気づいていたのか」
ゆ「うん(って皆のセリフを取ってしまったあああ!)」
か「(あーあ)」
瞳「花咲りなさん、あなたは吹雪君がいたところに入りなさい」
り「は、はい!」
あれ、何でゆみを起用しないんだろ。
壁「りなさんがディフェンダーッスか?」
同じように思ったらしい壁山が言った。普通はそう思うよなあ…。
士郎を見るといつもの笑顔を返された。何がなんだか…。
か「不服か1年め」
ゆ「止めなさい」
か「ほーい」
かなは相変わらずだな…。いやもう慣れたっちゃ慣れたけど。
り「何であたしなんだろ…」
ゆ「あー、ほら前半は士郎が取りにいけないとこ取ってたからさ、りなだってディフェンスに慣れてきてると思うんだよね」
一「つまりそのりなをディフェンスに置くことで、吹雪がフォワードに集中できるようにするんだね」
ゆ「そゆこと」
春「凄いですね、ゆみさん」
ゆ「そんなことないって」
土「でもさ、りなは元々ミッドフィルダーだろ?ゆみが入った方がいいんじゃないか?」
ゆ「お気遣いどうも。でもあたしよりりなの方が士郎の動きわかるからさ、あたしはベンチ暖めてるよ」
か「ゆみ本当は出たいんでしょ」
ゆ「うっさい」
そう言いながらかなを小突く。ゆみって本当に素直じゃないよな…。前々からだけど。
鬼「それにしてもゆみの観察眼は凄いな」
ゆ「これくらい普通じゃない?(知ってたのもあるし…)」
鬼「いや…」
か「やめようか」
鬼「…」
か「さー、後半戦だー」
り「まだハーフタイム終わってないしかなは出ないよね」
か「…」
ゆ「なんか…、ごめん」
鬼「気にしていないから大丈夫だ」
か「…(チッ」
土「かなもかよ…」
か「(・ε・` )」
土「おいおい」
か「(´・ω・`)」
土「…」
り「慣れれば気にならなくなるよ、慣れれば」
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