イナズマ青春記
□第11話 三度目の正直
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それぞれのポジションにつく。
相変わらず、ジェミニのメンバーは雷門を見下すように見ている。特にレーゼ。
レーゼもとい緑川リュウジの素を知っていることもあり、違和感を感じる。
か「がんばれりなー!抹茶ソフトなんかぶっ飛ばせー!」
ベンチから応援するかなの声が聞こえる。…正直やめてほしい。レーゼが地味に落ち込んでるし。
あ、抹茶ソフトじゃない…、って言ってる。なんだか哀れに見えてきた。慰められてるし。
吹「りなちゃーん!お互いがんばろう!」
後ろを向けば、ディフェンダーの位置から手を振っている士郎が見えた。なんかかわいい。まあ、本人に言ったら拗ねそうだけど。
吹「さあ、風になろう」
ピーッ!
ホイッスルが鳴った。
染岡からのキックオフ。あたしが染岡にボールを渡せばどんどん上がっていく。
り「(速くなってる…)」
スノボ特訓の成果だ。
2人がかりのディフェンスに阻まれたけど、土門がパスカットしたりと、皆は確実にレベルアップをしている。
り「行ける…!」
今度は風丸がパスカットをした。
風「りな!」
り「行け染岡っ!」
回ってきたボールを染岡へダイレクトパス。
染「『ドラゴンクラッシュ』!」
ゴルレオ「『ブラックホール』!」
シュートは止められてしまった。それでも互角の戦いができていることは確かだ。
り「(てかなんであたしフォワードなんだろ…)」
吹「りなちゃん!左!」
り「!、っ『アイスグランド』!」
唯一使えるディフェンス技の『アイスグランド』。それを咄嗟に放てばボールを奪えた。
あれ、できるようになった…?あたしも成長してる?
鬼「一之瀬にパスだ!」
り「あっ、わかった!」
パスを出すも、パスカットされてしまった。もう少し早くパスしてれば…。
ボールはレーゼに渡り、いっきに加速して、ゴールに迫られる。
円「右だ!」
吹「うん!『アイスグランド』!」
それから士郎の活躍は止まらなかった。攻め込まれては士郎がボールを奪って繋げる。そのうちジェミニストームのスピードに慣れてくる。
少し士郎に負担がかかり過ぎりかもしれないけど…。あたしだって!
り「はあっ!」
できるだけ士郎の負担を減らしてみせる!
レ「我々のスピードに慣れてきたか。最低限の学習能力は持っているようだな。
だが、ここまでだ!」
レーゼがバックパスをし、そのボールはパンドラへ。そこからまたレーゼに渡る。
り「しまった!」
レ「『アストロブレイク』!」
かなりの距離があるにも関わらず、『ザ・タワー』
『ザ・ウォール』、『熱血パンチ』を破った。
先制点を取られ、そこで前半が終わった。
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