荒波少女
□第34話 エイリア学園の正体!
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鬼「皆、力を貸してくれ」
そう言った鬼道の作戦は、まずあのボールをカットして、シュートをぶつけて機能を停止させるというもの。
「頼んだぞ」と鬼道はあたしの肩を軽く叩いた。…少しだけ嬉しかった。目配せして、一斉に切り込む。
一通りボールが無くなるまでカットして豪炎寺に回せば、豪炎寺のシュートでロボットは動きを止めた。
一撃で仕留めるなんて、流石は雷門が誇るエースストライカーだ。
進んで行くと電気が消えて、横の壁が開いて廊下が現れた。明かりがついたってことは、進めってことか…。
行くしかないと進んだ先は、ホールみたいなとこ。見上げるとホログラムかなんかで、吉良さんが映し出された。
瞳「お父さん…!」
円「あの人が!」
穏やかな笑みをしてるけど、それが逆に恐怖心を煽るどうして、エイリア学園なんかを…。
吉「日本国首脳陣の皆様、お待たせいたしました。
只今より我が国が強大な国家として世界に君臨するための、プレゼンテーションを始めさせて頂きます」
写し出されたのは、ジェミニストームが雷門中は破壊した時のものだった。あの時はその強さに、驚いたっけ…。
宇宙人だって信じて疑わなかったけど、よくよく考えてみればおかしくも感じる。正常な判断が出来るような状況じゃなかったけど。
あの時点で気づけてれば、と後悔してももう遅い。言い出す勇気のない自分を腹立たしく思うだけだ。
吉「さて、今日は謎に包まれたエイリア学園の衝撃の真実をお話致しましょう。
自らを星の使徒と名乗る彼らでありますが、その正体は実は宇宙人ではないのです」
その言葉に、「えーっ!」と皆は声を上げた。当たり前だ。だって瞬間移動とか、あんな凄い技術を持っていたんだから。
ぼーっとしてたら、おい、と豪炎寺に言われてハッとする。床には、地球に隕石が落下する映像が流れていた。
吉「全ては5年前に飛来した、隕石から始まったのです。
富士山麓に落下意した隕石は、そこから人間の潜在能力を最大限に引き出す物質が発見された」
それがエイリア石で、有効活用する為に研究をして、人間の能力を飛躍的に強化するのに成功したそうだ。
そのエイリア石を使って、財前総理に強い選手を作るように提案した…。作るなんて、そんな…。
吉「それがハイソルジャーです。ハイソルジャーが人類の新たなる歴史を創造するのです」
一「ハイソルジャー?」
瞳「人間を戦うマシンに変える、恐ろしい計画よ」
当然総理ははねつけた。そんな恐ろしい計画、誰だって拒否するに決まってる。
だから吉良さんはその素晴らしさを教えようと、大のサッカー好きな総理に一番分かりやすい方法で分からせようとした…。
穏やかに話し続ける吉良に、もうあの日のことを盾に自分の中で庇い続けることは出来なかった。あるのは、怒りだけだ。
「その為に…その為に、サッカーを、ヒロト達を侮辱するような事をしたんですか!」
吉「おや、貴女は……ふむ、成る程。度々グランが出ていたのは、貴女に会う為でしたか」
「な、にを…」
吉「貴女なら理解して下さると思ったんですけどね」
質問に答えてくれなかったことより、吉良さんがあたしを覚えている可能性に息が詰まる。
どこか寂しげなヒロトを表情を思い出して、胸が苦しくなった。
そうこうしている内に、ジェミニストームとイプシロンと戦った、奈良、北海道、京都での映像が映る。
気を取り直したように咳払いをした吉良さんは、言い放った。
吉「即ちそれがエイリア石によって身体能力を強化した、エイリア学園なのです」
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