荒波少女

□第28話 最強の助っ人アフロディ!
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一「『フレイムダンス』!」



一之瀬がボールを奪ったのを皮切りに、一気に攻め上がる。豪炎寺には2人がかりのマークがついている。


アフロディ見れば、1人しかついていない。絶好のチャンスだ。でも、



一「豪炎寺!」


豪「!」



一之瀬はマークが強い豪炎寺にパスを出した。豪炎寺はトラップはなんとかするけど、ボールを奪われてしまう。


ボールはガゼルに渡ってしまって、ダイヤモンドダストのカウンター攻撃が始まる。



ガ「私を止められるのかな?」


綱「ナメんな!」



軽く蹴り上げられたボールを奪おうと条兄ぃが突っ込む。…ダメだ!



「フェイントだ!」


綱「なっ…」



飲み込みが早くてどんどん上達してる条兄ぃだけど、みんなと比べると圧倒的に経験不足。


そんな条兄ぃはフェイントに対応出来なくて、ボールはヘディングで吸い付くようにガゼルの足元へ戻る。



ガ「もらった!」



端を狙った強力なノーマルシュートを、守兄ぃはなんとか防ぐ。



ガ「やるじゃないか。だが、チームは噛み合ってないようだ。崩すのはたやすいね」



ガゼルの言う通り、またこのちぐはぐなプレーを崩されるのは時間の問題だ。どうすれば…。






木「『旋風陣』!どんなもんだい!」


ガ「いい気になるな!」



ボールを奪おうとガゼルが迫り、慌てた夕弥が条兄ぃにパスを出す。



ガ「パスが乱れたぞ!奪え!」


「行かせてたまるか!」



あたしの実力じゃディフェンダー1人を止めるのが精一杯で、2人のディフェンダーがボールをなんとか取った条兄ぃに迫る。


そこに条兄ぃがパスをしやすい位置に、アフロディが走り込んできた。正直、本当に信じていいのかとも思うけど、やるしかない。



「条兄ぃ!アフロディに回して!」


綱「お、丁度いいぜ!アフロディ!」



ちょっと驚いたようにパスをトラップしたアフロディが、あたしを見た。


…大丈夫。根拠なんかどこにもないけど、きっと、今のアフロディなら決めてくれる。



ア「…行くよ」


ガ「お手並み、拝見だな!」



あの時とは格段に上がったスピードで、敵陣奥深くにまで切り込んでいく。


『ヘブンズタイム』でクララとドロルを抜いたアフロディの前に、ガゼルが立ちはだかった。



ガ「フッ、堕落したものだ。君を神の座から引き摺り下ろした、雷門を味方するとは」


ア「引き摺り下ろした?違う。彼らは、円堂君と美波の強さが僕を悪夢から目覚めさせてくれた。新たな力をくれたんだ」


ガ「!、美波、か…。だが、君は神のアクアが無ければ、…何も出来ない!」


ア「そんなもの必要ない」



ボールを奪いに迫ったガゼルを、アフロディはボールを横へ軽く蹴って、後方から上がって来ていた豪炎寺に回した。


驚愕の表情を浮かべているガゼルを尻目に、再び豪炎寺からアフロディに渡る。



ア「見せよう…、生まれ変わった僕の力を!『ゴッドノウズ』!」


円「あれは!」


鬼「前よりパワーアップしている!」


「凄い…!」



放たれた強烈なシュートは、ダイヤモンドダストのゴールを抉じ開けた。


アフロディと豪炎寺がパンッと手を打ち付け合って鳴らす。1ー0、先制点は雷門だ。




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