荒波少女

□第27話 凍てつく闇・ダイヤモンドダスト!
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久しぶりに豪炎寺がいる練習。豪炎寺からのパスを鬼道が受けた。



鬼「一之瀬!」


土「いただき!」


一「!、やったなっ!」


綱「来い!」


土「豪炎寺!」



土門が楽しげに豪炎寺にパスを出す。それを見た条兄ぃが、ちょっとムッとした表情になった。



綱「なんだよ!俺とやる時もそれぐらい楽しそうにしろよな!」

「ほら、久しぶりに豪炎寺がいる練習だし!あたしだって!」



スライディングをしかければ、豪炎寺からボールを奪うことが出来た。



「よっしゃあ!」



ああ、凄い楽しい!



リ「豪炎寺だか幼稚園児やか知らんけど、ストライカーはうちやで?」

木「エースのつもりだったのかよ」

リ「なっ、エースやちゃう!クイーンやクイーン!」



そう言ったリカが一之瀬の豪炎寺へのパスをカットしようとしたけど、豪炎寺はあっさりとかわした。


驚いたリカが何度も奪おうとするけど、なかなか奪えなくて息をきらしてしまった。



リ「…あんた、凄いな。でもダーリンほどじゃないけどなん!」

豪「…」

「リカは一之瀬のこと大好きだからね」

豪「…そうなのか」

リ「もうめっちゃ好きやねん!」

「あたしも豪炎寺のこと好きだよ!」

豪「…」

「もちろん、みんなのこともね!」



そう付け加えたら、ため息をつかれながらじっとりとした目で見られた。



豪「そのお約束過ぎる受け答えも、もう流石に慣れたな」

「え、何それ」



豪炎寺はしろ君の方に転がってったボールを拾いに行ってしまった。




吹「豪炎寺君…」

豪「ボールが怖くなったか?」

吹「!、っ…」

豪「怖くて当然だ」

吹「え…?」

豪「俺も怖い。怖さを抱えて蹴る。それだけだ」

吹「怖さを抱えて、蹴る…」


円「豪炎寺!立向居の相手をしてやってくれないか?」


豪「わかった!俺も円堂が認めたキーパーの力を見てみたい!」



豪炎寺対立向居か…。面白そう!守兄ぃはしろ君にも声をかけていて、しろ君はちょっとだけ笑っていた。





豪「『ファイアトルネード』!」


立「『ゴッドハンド』!」



立向居は『ゴッドハンド』で迎え撃つけど、パワーアップした『ファイアトルネード』を止める事は出来なかった。



土「やっぱり豪炎寺だなー」

綱「すげえ…円堂が言った通りだ」

一「立向居の『ゴッドハンド』じゃ、手も足も出ないか…」

「まだ経験だって浅いしね」



でも立向居はこれからどんどん伸びる気がする。なんてったって、『マジン・ザ・ハンド』だって使えるんだからね。


立向居が投げたボールを目で追ってたら、受け取った鬼道が何か考えるような表情をした後、


鬼「吹雪!」


吹「!」


「な…」



しろ君にパスを出した。でもしろ君は動けなくて、ボールは地面に転がった。


どこか悔しげに唇をかみ締めるしろ君の元へ、みんなが集まる。



吹「僕、このチームのお荷物になっちゃったね…」

「お荷物って…」

円「そんなことはない。雷門には、お前が必要なんだ!


よーしみんな!もうひと踏ん張りだ!ボールはいつも、俺達の前にある!」


『おう!』



みんながまた散らばっていく。しろ君はそれをぼんやりと、羨ましそうに見ていた。



「しろ君」

吹「美波ちゃん…」

「焦らなくてもいいからね。フィールドで待ってるから」

吹「…うん、………」




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