荒波少女

□第22話 炎のストライカー!
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吹「!」

「うわっ」

土「あっぶねえ!」



慌ててシュートを避ける。あんなものを食らったら、絶対にやばいからね。


…それにしても、物凄いシュートだった。ヒロトの『流星ブレード』に匹敵するくらいの威力だ。



南「どうだ?」

土「確かに…まさしく炎のストライカーって感じだな」

吹「そうみたいだね」

「えっ」



思わず違うと言いかけたけど、晴矢が黙ってろと目線で言ってきて、その言葉を呑み込む。


…あたし達と接触して、一体何をするつもりなんだろう。



土「じゃあ行こうぜ」

南「おお」



先を歩き始めた2人と並ぼうと歩きを速めたけど、ガッと首に腕を回された。



南「よお、美波。久しぶりだな。俺のこと、覚えてんだろ?」

「…もちろんだよ。でもさ、何しに来たの?」

南「別に、グラン…ヒロトのお気に入りだっていう円堂守を見に来ただけだぜ」

「守兄ぃを?」

南「は?」

「いや円堂守ってあたしの双子の兄だよ」

南「マジかよ…」

「マジだよ」



知らなかった…と頭を抱える晴矢。そりゃ言ってないし、そもそも会うのはこれで2回目だし。



吹「あれ?2人共何してるの?」

「あ、しろく」

南「あー、コイツと俺知り合いだったんだよ」

「ちょっ、晴矢!」

土「うわ、またこのパターンか…」

吹「ふーん…」



やられた。何てこと言ってくれたんだよ、晴矢。あ、笑ってるし確信犯じゃんか!


万が一だけど、晴矢がエイリア学園…しかもマスターランクチームのキャプテンってバレたら…。


その上あたしの知り合いってきたら、かなりまずいよね…。



「何てことしてくれたんだよチューリップ晴矢…」

南「待て、誰だその呼び方教えたのは」

「風介」

南「やっぱりな」



まあいいんじゃね?とあっけらかんとした様子で晴矢は言った。全然よくないよ!


ましてやあたしは雷門のキャプテンである守兄ぃの妹だし、みんなを動揺させる訳には…。



吹「おーい」

土「炎のストライカー、見つけたぜ!」



そうこうしている内に、集合場所に着いていた。みんな集まってるし…あ、知らない人いる。誰だろう。


晴矢が前に進み出ると、守兄ぃ達がどこかがっかりした表情になった。豪炎寺だって期待してたしね。


でも晴矢は沖縄に住んでる訳じゃないし、大丈…ばないか。主にあたしが。



土「?、誰だ?」

円「こいつは土方!近くに住んでるんだ。だから、いろいろと聞こうと思ってさ」

土方「どうも」

土「どうもー」

吹「でも、もうその必要はなくなったよ。炎のストライカーは、この南雲だ」

南「つー訳だ、俺は南雲晴矢。キャプテンの円堂だろ?よろしくな」

円「…ああ、よろしく!」



ああ…もう…、別によろしくしなくてもいいよ!守兄ぃ!



土「こいつ、俺達があちこち探してるのを聞きつけて、自分から売り込んできたんだぜ」

塔「この辺に住んでるのか?」

南「まあね」

土方「ホントか?…見ねえ顔だな」

南「俺もあんたを見たことねえな」



睨み合う2人。そうだ、もっと言ってやれ土方!まだ自己紹介すらしてない仲だけど!



べしっ



「ったあ!」

南「何か変なこと考えてただろ」

「考えてないよチューリップ」

南「止めろ、最早原型とどめてねえし」

鬼「…やけに仲がいいな」

土「ああ、美波の知り合いらしいぜ」



…しまった、完全に墓穴掘った…。みんな驚いてるし…。



円「またかよ…沖縄は綱海だけで十分だろ…」


南「おい、お前の兄にめっちゃ睨まれてるんだけど」

「理由はわかんないけど頑張れ!」

南「…」




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