荒波少女

□第21話 南海の大決闘!
2ページ/6ページ

「条兄ぃっ!」

綱「ん…?ああ、さっきの」

「えーと、覚えてない?円堂美波です」

綱「円堂…美波………、あーっ!あの時サーフィン教えた奴!」

「そうだよ!久しぶり!」

綱「久しぶりだな!2年前だったか?」

「うん!」



よかった、思い出してもらえて。



綱「またこっちの方来てたんだな!何でだ?」

「今エイリア学園っていう宇宙人と戦っててさ、沖縄に離脱した仲間がいるかもしれないんだ」

綱「へー!よくわかんねえけど頑張れよ!」

「う、うん」



相手は宇宙人(本当は違うけど)なのに、あっさりしてるな…。ある意味条兄ぃらしいけど。



「それで、え!?」

綱「ってえ!」



砂浜に刺さっているボードにボールが当って、ボードは倒れて脇に寝ていた条兄ぃに当たった。


このボールって、間違いなく守兄ぃ達だよね…。うわー…。



円「ごめん!怪我しなかったか?」

綱「これ、蹴ったの誰だ?」

塔「あたしだけど」

綱「サンキュ!」

塔「は?」

綱「丁度いい波のたつ時間だったんだ。あやうく寝過ごすところだったぜ」

塔「大丈夫なのか?」

綱「ああ!いいっていいって!んなこたあ、海の広さに比べりゃあちっぽけな話だ!じゃあな」



あ、海行っちゃった。流石は条兄ぃ、これまたあっさりと許した。



「何でボールがこっちに?」

塔「あたしとリカで『バタフライドリーム』の練習してんだけど、失敗しちゃって」

「成る程…。あたしも練習に戻ろっかな」





戻って『バタフライドリーム』の練習を見ていれば、今度は海の方へ逸れてしまった。


逸れた方には条兄ぃがいて、シュートをボールの上から蹴り返してしまった。相変わらず凄いバランス感覚…!


蹴り返されたシュートは、立向居が止められないくらいの威力だった。結構距離あるのに…。



綱「はー、びっくりしたぜ。急にボールが飛んできやがるもんだからよ」

円「ねえ君!サッカーやってるのか?」

綱「サッカー?そんなもん1回もねえよ」

円「1回も!?サッカー、やってみないか?」

綱「はあ?」

円「あんな凄いキックができんだ!やったらすっげえ楽しいぜ!」



確かに、不安定な足場からあんなに凄いシュートが返ってきた訳だし、すぐに上達しそう…。



綱「あっはははは!冗談はよせよ。俺はサーファーだぜ?」

円「でもさ、ちょっとくらい…」

綱「悪いな、興味ねえんだ」

円「そっか…」

「どうしてもダメ?」

綱「うーん…」



条兄ぃが悩んでいると、鬼道が言った。



鬼「素人が俺達のレベルについてこられる筈がない。いくら身体能力が優れていようと、すぐに出来る程サッカーは簡単じゃない」

「厳しいね、鬼道…」

鬼「当然のことを言っただけだ」



これはいくら条兄ぃでも怒るんじゃ…。



綱「よし、決めた!おい、サッカーやってやるぜ!」



………あれ?やる気になってる。鬼道を見たら、意味ありげにニヤリと笑っていた。あ、作戦か…。



円「本当か!?」

綱「ああ、この俺様に二言はないぜ!」

円「そうか!歓迎するぜ!えっと、名前は?」

綱「俺は綱海、綱海条介だ!」



条兄ぃが自己紹介をする。条兄ぃとサッカー、か…。面白そう!



リ「なあなあ、あの綱海っちゅー奴とどんな関係なん?」

「え?そうだな…血は繋がってないけど、あたしにとってはお兄ちゃんかな」

塔「は?」

「そんな感じだから」




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ