荒波少女

□第21話 南海の大決闘!
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「潮風気持ちいーいー」



バサバサしている髪を、手櫛で適当に梳かす。沖縄、か。2年前に来たんだよなあ…。



立「監督が先に行って探してるんですよね」

夏「そのはずだけど、まだ連絡がないの」

立「豪炎寺さんに会ったら『ファイアトルネード』受けてみたいです!」

円「そうか!けどアイツのシュートはそう簡単には止められないぜ?」

「そうそう!なんてったって、あの豪炎寺のシュートなんだからね!」



その時夕弥が走ってきて、春ちゃんの後ろに隠れた。…これはもしかして、



塔「見ろ!ベンチでうとうとしてたらこれだ!」



怒った様子で走ってきた塔子の顔には、酷い落書き。あー、今日は塔子か…。


夕弥も毎日毎日飽きないよなあ…。イタズラのネタも尽きないし、よく考え付くよね。あ、逃げた。



「あ、島が見えてきた」

吹「アナウンス言ってたけど、阿夏遠島っていうんだって」

「あがとうじま…。凄い名前だなー」



海を見たら、丁度誰かがサーフィンをしているところだった。またやりたいなあ。


そんなことを考えてたら、目金が海に落ちた。守兄ぃが飛び込もうとしてたけど、



ザパン



誰かが泳いで来て、目金を助けてくれた。その為、一旦船を降りることになった。



円「まったく…」

目「いや…あまりにもサンゴが美しいんで…」

円「気をつけてくれよ。ありがとう!君は目金は目金の命の恩人だ!」

「よせよ、礼を言われるほどじゃねえって」



なんだろう、どっかで見たことあるような人だな…。あの髪色とか、ゴーグルとか…。



目「そうですよ、僕だって泳げるんですから…」

「バカ野郎!海を甘く見んな!海は命が生まれる所だ。命を落とされちゃたまんねえよ!」

目「はい…」

「ま、とにかくさ、無事でなによりだ。じゃあな」



海は命が生まれる所…



「あああああ!」

『!?』

鬼「どうかしたのか?」

「あたし会ったことあるよ!今の人!」

円「またかよ…」

一「最早恒例って感じだね…」

「うわー、何でもっと早く気づかなかったんだろ…」

円「寧ろ気づかなくてよかったけどな」



行っちゃったけど、今日はこの島に泊まるわけだし、また会えるよね!



「で、どうするんだっけ?」

塔「聞いてなかったのかよ…」

吹「砂浜で練習するんだよ」

「成る程!」





落ちている木で即席のゴールを作って、ラインを引いて準備完了!



円「さあやるぞ!やる気さえあればそこがフィールドだ!」

『おう!』



2チームに別れてミニゲーム。あたし、しろ君、夕弥は人数の関係上ベンチで観戦だ。



鬼「行くぞ円堂!」


円「よーし、来い!」



鬼道からシュートが放たれて、守兄ぃは究極奥義『正義の鉄拳』に挑戦する。


パッと開かずギュッと握って、ダン、ギューン、ドカン。でも、成功はしなかった。



円「まただ…ギューンってなんなんだろ…?」

鬼「焦るな円堂。究極奥義の名づけられた技だ。簡単には覚えられるはずがない」

円「そうだな。究極奥義、身に付けたらどんなすげえシュートだって防げるんだろうな。絶対覚えてみせるぜ!」


「苦戦しそうだなあ…あれ?」



ひゃっほーい!という声が聞こえた。声の方…海を向けば、さっきの人―条兄ぃが飛んできた。



綱「ん?よお、また会ったな」



ドスッとサーフボードが地面に突き刺る。あー、これ前にもあった。



綱「サッカーって砂浜でもやるもんなのか?まあいいや、がんばれよ」



それだけ言って、条兄ぃは離れた所で寝っ転がった。みんな呆然としてる。



「守兄ぃ!あたしちょっと話してくる!」


円「えっ、##NAME2##……ほどほどにしろよーっ!」


「わかってるってー!」




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