荒波少女
□第19話 激震!最強のジェネシス!!
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ピーッ
雷門のキックオフで試合が始まった。リカが上がっていくけど、大柄な選手(確かウィーズ)にボールを取られてしまった。
「速い…!」
ジェミニストームやイプシロンよりも速いスピードで、あっという間に攻め込まれていく。
角「ジェネシス一気にあがっていく!」
ウィーズ「アーク!」
アーク「コーマ!」
コーマ「ウルビダ!」
ウルビダ「グラン!」
無駄がないパスで、カットすら出来ない。ボールを持った…グランが、もうゴール前だ。
グ「いくよ、円堂君!」
グランが打ったのは普通のノーマルシュート。でも、明らかに今までのとは違う凄い威力で、
円「『マジン・ザ・ハンド』!っ、うわっ」
『!』
「嘘…」
守兄ぃの『マジン・ザ・ハンド』をいとも簡単に破ってしまった。
グ「入っちゃった…」
意外だとでも言うような言葉。ある程度は予想してたけど、こんなに強かったなんて…。
土「なんだよ、今のシュート…」
みんな、シュートの威力に呆然と立ち尽くしていた。もちろん、あたしも。
吹「…ダメだ。シュートは僕が決めるんだ!………出てくるなっ!」
「しろ君…?」
しろ君の様子もおかしいし、あたしは…どうすれば…。
雷門からのボールで試合は再開したけど、一瞬でボールを奪われた。
ウ「グラン!」
グ「いくよ、円堂君!」
円「今度は止める!」
守兄ぃはもう一度『マジン・ザ・ハンド』を繰り出す。でも破られてしまった。
風「円堂!」
一方的な試合。得点は10−0にもう達しようとしていた。
風「なんとかしないと、このままじゃ円堂が!」
一朗太が攻めていく。けどジェネシスの方が速くて、太刀打ち出来ない。
「一朗太の速さが通用しないなんて…」
あたしもほとんど何も出来ていない状態だ。
吹「出てくるな!」
しろ君もさっきから全然動けてない。
グランにボールが渡る。それを見た一朗太が走ったけど睨まれて、怯んだ。
「くそっ…」
ウ「遅い」
「あ…」
あたしも取りに行くけど、速さについていけない。グランのシュートで、またゴールネットが揺れた。
グ「もう終わりなの、円堂君、美波ちゃん。君の実力は、こんなものじゃないはずだよ」
円「まだ、試合は終わっちゃいない…。諦めなきゃ、必ず反撃のチャンスは来る…!だからそれまで、このゴールは俺が守る!」
「そうだ!絶対に、諦めない!」
鬼「よし、まずは1点!奴らから奪うんだ!」
『おう!』
「?、一朗太…?」
表情が酷く暗い。
風「あんな奴らに、勝てる筈ないのに…」
「!」
一朗太の言葉が、深く突き刺さった。そんな気がした。
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