荒波少女

□第19話 激震!最強のジェネシス!!
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円「ヒロト…。お前、宇宙人だったのか?」

グ「さあ円堂君、美波ちゃん。サッカーやろうよ」



そう言ったヒロト…グランの笑顔に背筋が凍った。みんなの視線があたしに向いているのを感じる。



土「どういうことなんだ。なんで円堂の友達がエイリア学園に…?」

一「美波も知り合いだったのか?」

「まあ…」

立「円堂さん…美波さん…」

目「まんまと騙されたみたいですね」

春「騙された?」

目「奴らの目的は友達になったふりをして円堂君や美波さんを動揺させること」

立「そういうことだったんですね!」

目「どう考えたって宇宙人の考えそうなことですよ」



違う。そんな筈ない。ヒロトはそんなことをするような奴じゃない。



少なくとも、あたしが知ってる範囲では言ってたことは本心だった…と思う。正確にはそう思いたい。



グ「それは違うよ。俺はただ、君達とサッカーしたいだけ」



よかった。その言葉に少しホッとした。けど、ヒロトのチームは凄く強いみたいだし、威圧感で体の震えが止まらない。



腕を擦ると、鳥肌がたっているのを感じた。



風「大丈夫か」

「…うん」



今はそう答えるしかない。



グ「君達のサッカーを見せてよ」



他のメンバー言うには許可を取らずに来たらしい。…ただサッカーがしたいだけってのは事実みたいだ。



円「グラン?…それが本当の名前なのか…。…お前とは楽しいサッカーができると思ってた。


でも、エイリア学園とわかった以上容赦はしないぜ!」


グ「もちろんだよ」



拳を握り締めながら言った守兄ぃに、グランは嬉しそうに、楽しそうに返した。



みんながベンチに歩いていく。あたしはチラチラと振り返っては、ジェネシスのメンバーを見た。



一瞬、玲ちゃんと目があった。でもそれは直ぐに逸らされた。



「あれ、しろ君?」

吹「…顔洗ってくるね」



ふらりとしろ君は行ってしまった。少し顔色が悪かった。



嫌な予感がする。最近嫌な予感しすぎだし、予感当たりすぎだ。そろそろ外れてよ。




角「雷門ファンの皆さん!お待たせしました!


ここ福岡、陽花戸中から雷門中対エイリア学園第3のチーム、ジェネシスとの一戦をお送りします!」


鬼「円堂」

円「ああ」

栗「イプシロンを倒したら、終わりかと思ってたでヤンス…」



みんなそう思ってたみたいで、表情が固い。知ってて言わなかったあたしは…最低だな。



円「吹雪!…?、どうかしたのか?」

吹「なんでもないよ」

円「そうか?ならいいけど…」

鬼「吹雪、お前にはフォワードを頼む、リカと2TOPだ。いいですよね監督!」

瞳「ええ、任せるわ」

リ「よっしゃ!決めたるで!」

土「頼むぞ吹雪。今日も『エターナルブリザード』、決めてくれよな!」

吹「!、…うん」

円「行くぞ!みんな!」

『おう!』



それぞれポジションにつくために散り散りになる。



あたしもディフェンスにつこうとしたけど、しろ君がユニフォームの端を掴んだ。



「どうしたの?」

吹「今日のシュートは僕が打つ」

「え?」

吹「アツヤじゃなくて、僕が打つから」

「う、うん…?」



それだけ言って、しろ君はフォワードの位置へ歩いていった。



どういう意味か考える暇なんて、ない。



風「なあ」

「一朗太…」

風「今日の美波、何か変だぞ」



眉をひそめながら言う一朗太から目線を逸らしつつ、自分が動揺しているのを感じる。



エイリア学園が何者なのか、知っていることがみんなに知られるのが怖い。



しろ君のことだってそうだ。隠していることは、沢山ある。



全部話したら、みんなは黙っていたあたしのことをどう思うのだろうか。




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