荒波少女
□第14話 一之瀬!最大の危機!!
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エイリア学園のアジトがあるとのことで、あたし達は大阪のナニワランドに来ていた。
要は遊園地。こんな所に基地なんてあるのかな…。
みんなを見ると、訝しげな表情をしている人が大半。やっぱりおかしいよなあ…。
あ、夕弥はなんか目がキラキラしてる。遊園地だしね。あたしだって、エイリア学園のことが無かったら遊びたい。
そんなこんなでそれぞれ分かれて捜索することになった。
しろ君が女の子2人に色々聞いて行ってしまった。あたしのこと見てたけど、どうしたんだろ。
風「美波、よかったら一緒に行かないか?」
「んー、あたしは大丈夫」
風「…そっか」
鬼「残念だったな、風丸」
風「鬼道…」
「何が残念だったの?」
鬼「いや、なんでもないさ」
***
1人で捜索なう。
それにしても人が凄い。思っていた以上に混んでる。
アテもないのでふらふらと歩いていたら、
「ちょっと待てよ」
見るからに不良っぽい人に絡まれた。えーっと、2人いるから不良Aと不良Bってことで。
「なんですか?」
A「へえー、よく見ると結構可愛いじゃん」
「はあ…」
B「ねえ、1人?よかったら俺達とお茶しない?」
「嫌です」
嫌な時はハッキリ嫌だって言うんだぞ!、という守兄ぃの教え通りに言うと、不良の顔が一瞬歪んだ。
かと思ったらニヤニヤと笑いだした。えーっと、これはどうすれば…。一朗太はなんて言ってたっけ?と考えてたら、
シュッ
A「もーらい!」
「あ」
ハチマキを取られた。
B「返して欲しかったら俺達と付き合ってよ」
「付き合うってなんだよ!意味わかんない!ハチマキ返せえええ!」
一応年上だからと割り切って敬語を使ってたけど、もうやめた。取り返そうと走って追いかける。
「返してよ!」
A「やだねー!」
「くそっ…」
慣れているのか、人混みの中を不良はどんどん進んで行ってしまい、大分離れてしまった。逆に慣れてないあたしはどんどん離されていく。
「(守兄ぃにもらった大切なハチマキなのに…)」
守兄ぃや一郎太がここにいたら、どうしてたかな…。………うん、殴り飛ばすとこしか思い浮かばない。
その時だった、
「『ノーザンインパクト』!」
1人の男の子が、ハチマキを持っている不良の腹を蹴り飛ばした。
「え…」
誰?てか今のって必殺技だよね…。しかもどこかで見たことあるような。
B「てめっ…、よくも!」
「…」
B「ひいっ」
A「おっ、覚えてろよ!」
男の子が睨み付けると、不良達は逃げていった。…助けてもらった…?
「全く…。私があんな奴を覚える訳がない…」
「あ、あの…」
「ああ、これは君のだろう」
スッと差し出されたハチマキを受け取る。そうだ、お礼言わなきゃ。
「ありがとうございま、あああ!!!」
顔を上げてしっかりと彼を見れば、そこには見覚えのある姿。
彼も驚いた目であたしを見ている。
こんな所で会うなんて、思ってもみなかった。
「ふー、君?」
涼「まさか君は…、美波かい?」
ふー君こと、涼野風介。やっぱり彼だったんだ。
でもどうしてここに?
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