荒波少女
□第13話 最後のワイバーンブリザード!
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河川敷まで、ジョギングの要領でウォーミングアップがてら軽く走る。
「あれ、」
今あたしの名前呼ぶ声が聞こえたような…、と思った矢先腰に衝撃がきた。
「うぐっ」
成「お久しぶりです美波さん!」
「な、成神?」
見てみれば、腰にくっついてたのは帝国学園サッカー部ミッドフィルダーの成神だった。
洞「こんにちはー」
辺「相変わらずマヌケ面してんな」
万「帰ってきてたのか」
寺「真・帝国学園のことは聞いた。…任せてしまってすまないな」
咲「あの2人帰ってきたらバットで殴る」
「洞面に万丈に寺門に咲山まで!」
帝国イレブン御一行だ。何でこんなとこにいるんだろ。どっか行った帰りとかかな。
辺「おい俺のこと忘れてんだろ!」
「あ、辺見いたんだ」
辺「…」
成「まあデコ見先輩ですからね」
「うんうん!」
辺「つか咲山のセリフにツッこめよ!物騒だろ!」
咲「あ゛?」
「なんか咲山らしいと思って」
成「心が狭いッスねー」
洞「デコが広いからアホなんだよね。この前の英語のテス、辺「言うな!」
…英語のテスト、悲惨だったんだ。
成「つまりデコの広さと頭の良さは比例するって訳ですね!」
「なん…だと…」
寺「…真に受けてはいないよな」
「ノってみただけだよ」
流石にデコの広さと頭の良さの関係性はないと思う。辺見がちゃんと勉強しなかったからだ。
それに髪型が頭の良さと関係するなら、あたしは今すぐ守兄ぃの髪型を変える。…国語ヤバいし。
成「今暇なんですか?」
「いや、これから河川敷に行って特訓するんだ」
成「宇宙人なんかと戦うなんて大変ですよね…」
「…うん………」
そっか。彼らが本当は宇宙人でもなんでもない、ただの人間だって知ってるのは、あたしだけなんだよね…。
…いや、違う。もう1人いる筈だ。
瞳子監督だ。
最近思い出したけど、お日さま園でお世話になった時に確かに瞳子監督はいた。
きっと、間違ってるヒロト達を止めようとしてるんだろうな…。
寺「どうかしたのか?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
帝国の皆に、余計な心配をかける訳にはいかないもんね。
「じゃああたし行くね!」
寺「気をつけろよ」
成「今度は帝国に遊びに来てくださいね!」
「おう!またサッカーやろうぜ!」
大切な友達を助けるために、
絶対、強くなるんだ。
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