荒波少女
□第12話 帝国の逆襲!後編!!
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『皇帝ペンギン1号』は、守兄ぃの『ゴッドハンド』を破って、ゴールに突き刺さった。
角「ゴール!真・帝国学園が先制!佐久間のシュートが円堂を吹き飛ばした!」
あの『ゴッドハンド』をあんな簡単に破るなんて…、なんて威力だ。それに禁断の技って…。
佐久間を見ると、まるで全身が痛むかのように悲鳴をあげながら自身を抱きしめている。
不「ははっ!素晴らしい!」
明王ちゃんの声が嫌に耳につく。
鬼「佐久間…、お前、何故…」
佐「見たか鬼道。俺の『皇帝ペンギン1号』」
鬼「二度と打つな!あれは禁断の技だ!」
“禁断の技”という言葉に衝撃が走る。鬼道があれほど使うななんて言うってことは、それほど危険ってこと…?
鬼「『皇帝ペンギン1号』は禁断の技だ。二度と使うな!」
佐「怖いのか?俺ごときに追い抜かれるのが!」
鬼「違う!わからないのか!このままではお前の体は!」
佐「敗北に価値はない。勝利のために、俺は何度でも打つ」
鬼「佐久間…」
ふらつきながらも戻っていく佐久間を、見送ることしかできなかった。
円「鬼道!禁断の技ってどういう意味だ?それに二度と打つなって…」
鬼「『皇帝ペンギン1号』は影山零冶が考案したシュート。恐ろしい程の威力を持つ反面、全身の筋肉は悲鳴をあげ激痛が走る…!
体にかかる負担があまりにも大きいため、使用しない禁断の技として封印された。あの技を打つのは1試合2回が限界…!3回目は…」
円「二度とサッカーができなくなるということか。っ…」
鬼「円堂!」
シュートを受けた守兄ぃもふらついた。鬼道曰く守兄ぃももう一度受けたら、立っていられなくなる…!
鬼「この試合の作戦が決まった。佐久間にボールを渡すな!」
一「その作戦、大賛成だ。目の前でそんな最悪な光景は見たくない」
吹「僕も、ディフェンスに入るよ」
「あたしだって!」
鬼「一之瀬、吹雪、美波…。佐久間のマークは頼む」
ピーッ
雷門からのボールで試合再会。鬼道がドリブルであがる。
鬼「(1号を改良して、威力は落ちるが3人で打つことで、負担を減らし使える技にしたのが2号!)
思い出せ!これが本当の皇帝ペンギンだ!
『皇帝ペンギン』!」
一・染「『2号』!」
『皇帝ペンギン2号』が放たれる。それを見た源田は臆することなくニヤリと笑った。
源「『ビーストファング』!」
源田はシュートを止めた瞬間悲鳴をあげ、突っ伏した。あの技も…!
鬼「まさか『ビーストファング』まで…!」
染「鬼道。ひょっとしてあの技も…」
鬼「ああ、『ビーストファング』だ。『皇帝ペンギン1号』とともに封印された技だ」
『!』
染「ってことは、『ビーストファング』も同じく体を破壊する技…!」
鬼「源田にあの技を出させるな!」
塔「シュートを打つなってことになるね」
「でも、それしかない…!」
シュートを打たないってことは、点を取れないってことになる。今は0ー1。なんとかして点を取らないと負けになる…。
どうやってあの技を使わせずに点を取れば…。
木「あいつら…、サッカーにここまでかけるなんて…」
夕弥の震え声に、あたしは拳を握りしめた。
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