荒波少女

□第11話 帝国の逆襲!前編!!
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夕弥のイタズラのおかげでキャラバン内が暗くなることはなかった。ただ鬼道の表情はずっと険しかった。


そうこうしているうちに愛媛についた。コンビニで皆何かしら買って昼食を取る。あ、壁山がみかん買ってる。あとでわけてもらおうっと。



「しろ君はサンドイッチかー」

吹「美波ちゃんはおにぎりなんだね」

「やっぱこれかなって思ったからさ。染岡と同じー」

染「円堂に言わせてみると、練習はおにぎり、だからな」

吹「ふーん…、ねえ帝国ってそんなに強かったの?」

染「ああ。強かった。最初は俺達手も足も出なかったんだ。でも俺達は、特訓に特訓を繰り返してついにアイツらに勝ったんだ!」

「練習試合ではボコボコにされたけど、フットボールフロンティアの地区予選決勝では勝てたんだよね!」

染「ああ!だから、帝国だろうが真・帝国だろうが、絶対負けない!それに、今は俺達最強コンビがいるんだからな」



そう言っておにぎりをかじる染岡。最初の頃だったらこんなこと絶対言わなかっただろうし、染岡もしろ君を認めたんだよね!



吹「そうだね。でも美波ちゃんもいるからトリオだよ」

「あ、いいね!」



そう話していると、一之瀬の声が聞こえた。



「一之瀬?」

一「いや…、円堂が変な奴と話してるんだ」

吹「変な奴?」



何かあったのかもしれないとキャラバンの外へ出ると、モヒカンに入れ墨というという奇抜な頭をした奴がいた。


…なんかどっかで見たことあるような。あの鋭い目付きとか…。


よくわかんないけど、響木監督のメールは偽物で、あたし達が愛媛まで来るようにの誘導だったらしい。



瞳「すぐにわかるような嘘を、何故ついたの?」

不「俺、不動明王ってんだけどさ、俺の名前でメールしたらここまで来たのかよ。響木の名前を語ったから、いろいろ調べて愛媛まで来る気になったんだろ?違うか?」



…確かに理にかなってるような。ん?不動明王…?



不「なーに。あんたらを真・帝国学園のご招待してやろうってのにな。あんた、鬼道有人だろ?うちにはさ、あんたにとってスペシャルゲストがいるぜ」

鬼「スペシャルゲスト?」

不「ああ。かつての帝国学園のお仲間だよ」



不動明王って…、



鬼「影山の汚さを身をもって知っている帝国学園イレブンが、アイツに従うはずがない!」

円「そうだ!絶対ありえない!」

染「下手な嘘つくんじゃねーよ!」



……。



不「はあ?じゃあ俺の目がおかしいのかなァ」

鬼「貴様…、誰がいるっていうんだ!誰が!」

不「おいおい、教えちまったらおもしろくないだろ。着いてからのお楽しみ。くくっ」



もしかして、



「明王ちゃん!」

『…はあ!?』



周り唖然。でもこの際気にしない。



不「は…。お前まさか………美波?」

「うわ明王ちゃん久しぶり!」

不「げ…マジかよ…」

「ストレスでハゲたの!?」

不「ちげぇよ!つか抱きつくな!離れろ!」



円堂と風丸から飛んでくる凄まじい殺気に、不動のライフはどんどん削られていく。常識人達は思わず哀れみの目を向けた。



「明王ちゃん、真・帝国学園ってどこ?」

不「いやそれをこれから俺が案内すんだろ」

「あれ、明王ちゃん真・帝国学園なの!?」

不「聞けよ」






そんなこんなで、明王ちゃんの案内で真・帝国学園へ。そして着いたのは埠頭。目の前に広がるのは海。…どういうこと?



円「学校なんて、どこにもないじゃないか」

染「てめえ!やっぱ俺達を騙したのか!」

不「短気な奴だな。真・帝国学園なら、ほら」



明王ちゃんが海を指差したその時、いきなり勢いよく水柱がたった。



『!』

鬼「これは…!」

「潜水艦…?」



これが真・帝国学園なんだ…。



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