荒波少女
□第11話 帝国の逆襲!前編!!
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夕弥がついてきてしまったため、キャラバンを一旦止めて監督が漫遊寺中へ電話をかけることになった。
栗「俺は反対でヤンス!こんな奴!」
目「あああああ!!!」
「何!?」
突然目金が声をあげた。よくわかんないけど、大事なフィギュアに落書きされたらしい。
目「僕もこんな奴が雷門イレブンに入るのは絶対反対です!」
木「たかがおもちゃくらいで」
目「何をーーーっ!!!」
「まあまあ」
栗「あーーーっ!」
円「今度はなんだよ…」
栗「俺の雑誌が…」
木「うっしっしっしっし」
今度は栗松の雑誌か…、まったく、らしいといっちゃらしいんだけどね…。
春「木暮君!皆に謝りなさい!ちゃんと謝らないと漫遊寺に帰ってもらうからね!」
木「…ごめんよ」
円「まあまあ。木暮も謝ってるんだしさ!栗松、目金!」
キャプテンがそう言うなら仕方ないと、納得したみたいだ。そうこうしているうちに、監督が戻ってきた。
瞳「行くわよ」
円「よし!出発だ!」
そう言って一歩踏み出した守兄ぃが、バランスを崩した。
円「うわあっ!」
下を見れば靴ひもが結ばれていた。もちろんやったのは夕弥だ。素直に謝ったかと思えば…。
木「うっしっしっしっし」
円「木暮ぇーーーっ!!!」
流石の守兄ぃも叫んだ。なんだかキャラバンが一気に賑やかになったな…。
そんなこんなでキャラバンは出発。皆でこれからのことを話していたら、瞳子監督の携帯に響木監督からメールが入った。
瞳「影山が脱走し、愛媛に真・帝国学園を設立した!?」
鬼「!」
円「なんだって!」
フットボールフロンティアからのメンバーに衝撃が走る。まさかまた影山が脱走するなんて…。
染「アイツ、まだ性懲りもなくそんなことやってんのかよ!」
土「しかも、真・帝国学園だって!?」
「今度は何を…!」
鬼「っ…」
塔「鬼道?」
円「よし!愛媛に行こう!」
土「ああ。影山がやろうとしてること、ぶっ潰そう!」
夏「そうよ!アイツを許しちゃいけないわ!」
珍しくなっちゃんが声を荒げ、塔子は不思議そうに首を傾げた。
塔「影山って、中学サッカー協会の副会長だったんだよな?」
鬼「そうだ。そして帝国学園の総帥だった…。俺達のチームの…」
塔「そんな人を何故倒さなきゃならないんだ?」
円「勝つためには手段を選ばないやつだったんだよ!」
鬼「それも自分の手は汚さず、人を使って使って相手チームを蹴落とそうとする」
塔「きったねえな」
風「卑怯が服を着て歩いてるような男さ」
鬼「それだけじゃない。アイツは勝つために神のアクアを作り出した」
塔「神のアクア?」
風「人間の体を、根本から変えてしまうものさものさ。神の領域にまで…」
思い出されるのはフットボールフロンティア決勝戦、アフロディ達のあのプレイ。最後にはなんとか勝ったけど…。
夏「結局それが、影山の逮捕に繋がったのよ」
染「そいつが脱走したんだ」
円「またサッカーを使って何か企んでいるのか!」
その時、後ろから壁山の声が聞こえた。
円「壁山!どうした?」
壁「木暮君が酷いッス!これ、見て下さいよ…」
そう言って振り向いた壁山の顔には酷い落書きがあった。一瞬の静かになったかと思うと、キャラバンに笑い声が響いた。あたしも我慢できずに笑ってしまった。
春「木暮君!シートベルトはちゃんとする!席から立たない!守れないなら降りてもらうわよ!」
円「しょうがないやつだなー」
春「もう…」
春ちゃんが席に座ると、変な音が鳴った。え、これって…。
真っ赤になった春ちゃんが座席から取り出したのはブーブークッション。
夕弥………、女の子にやっていいことと悪いことの区別はつけようよ。
再び騒がしくなるキャラバン内。ふと鬼道を見たら、ゴーグルで表情はよく見えないけど歯を食いしばってるように見えた。
「影山、かあ…」
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