荒波少女
□第10話 かくされた力!
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土「どう思う?」
鬼「俺は美波と春奈の言うアイツを信じる」
風「そんなこと言って、実力には疑問を持ってるんだろ?」
鬼「ああ」
「大丈夫だって!夕弥なら!」
一「実力のわからないやつが入るってのは、意外性があっておもしろいかもな」
「うんうん!」
鬼「とりあえずポジションにつくぞ」
それぞれのポジションにつくと、フォワードの位置にいるしろ君が振り替えって言った。
吹「木暮君!楽しんでいこうよ!」
染「お前はそればっかりだな…」
円「木暮!楽しんでいこうぜ!」
呆れたように染岡が言ったけど、守兄ぃも言った。よし、あたしも!
「楽しんで、木「もういいよ」
酷い!」
夕弥らしいと言っちゃらしいかもしれないけどさあ…。
デ「聞けい!雷門中!破壊されるべきは漫遊寺中にあらず。我らエイリア学園に刃向かい続けるお前達、雷門イレブンと決まった!」
一「勝手に決めちゃってるよ…」
一之瀬がそう呟いたのが聞こえた。
デ「漫遊寺中は6分で片付けた。だがお前達はジェミニストームを倒した。その実力を称え、3分で決着とする。光栄に思え」
円「3分!?」
土「だからなんで勝手に決めちゃうかなー」
「てか3分って…」
イプシロンはどれだけ強いんだろ…。
吹「だっだらぁ、僕達も3分で片付けちゃおうよ!」
染「おもしれえ!」
しろ君…、なんか言ってることが怖く感じるよ…。まあ、そのいきだよね!ちなみに実況は毎度お馴染み角馬。
…本当にどうやって来てるんだろ。
さっきの試合を見る限り、フォワードはシュートを打つチャンスがほとんどなかった。マークが強かったからだ。
あたしは基本ディフェンダーだけどシュート技がある。あまりマークはつかないだろうし、ボールが取れたら積極的に打ちにいこう。
「よーし!勝つよ!夕弥!」
木「怖くないのかよ…」
「怖くないよ」
だって彼らは友達だから。
ピーッ
試合開始。開始早々しろ君にはメトロンとスオーム、染岡にはクリプトとファドラのマークがついてしまった。
鬼「突っ込め風丸!」
フォワードの2人にパスが出せないため、現在ボールをキープしている一朗太がそのままあがった。
円「行っけえ!」
風丸がスライディングタックルをかわし、塔子にパス。そしてボールは鬼道へ。パスを繋ぐ。
鬼「土門!」
土「打て!一之瀬!」
一「『スピニングシュート』!」
一之瀬がシュートを打ったけど、デザームに届く前に蹴り返されてしまった。それはそのままシュートになってゴールへ飛んだ。
壁「『ザ・ウォール』!」
壁山がシュートブロックをしようとしたけど、防ぎきれなかった。
「うらあっ!」
足を旋回させて思いっきりぶち当てる。さっきので威力は落ちてたらしく、なんとか蹴り返せた。そのままボールははね上がる。
「ボールが…!」
吹「任せろ!」
人格をアツヤに代えたしろ君(あれ、矛盾してる?)が、ボールを追って高く跳んだ。スオームとメトロンも跳んだけど、それを踏み台にしてアツヤは更に高く跳んだ。
吹「もらったぜ!『エターナルブリザード』!いっけえええ!」
スッと前に出されたデザームの手とぶつかり合い、煙が晴れて見えたのは手の中に収まっているボールだった。
「嘘…」
『エターナルブリザード』が止められるなんて。
デ「敵ながらいいシュートを打つ。気に入ったぞ」
吹「…褒めてくれてありがとよ!」
デザームは、あたし達を大きな価値になると言って、残り2分20秒を存分に戦ってもらうとボールを投げた。
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