荒波少女
□第9話 イプシロン来襲!
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塔「何でここだけツルツルしてるんだよ…?」
秋「これって…、ワックスじゃないかしら?」
『ワックス?』
皆が同時に言った。するとどこからともなくうっしっしという笑い声が聞こえた。
…どこかで聞いたことあるような。
木「ざまーみろ!フットボールフロンティアで優勝したからっていい気になって!」
塔「お前!よくもやったな!」
逃げた彼を追おうと塔子が廊下の手すりを乗り越えたその瞬間、着地したところにあった落とし穴に見事にはまってしまった。
ていうかあの髪型とか声とか、やっぱり…
風「なんなんだ、アイツ?」
「夕弥…?」
風「美波?」
「夕弥あああ!!!」
木「げっ、まさかお前美波かよ!」
「そのまさかだよ!」
木「マジかよ…」
?「木暮ぇーーーっ!!!」
木「!」
どこからか夕弥を呼ぶ声が聞こえた。あ、逃げた!
「待てっ!」
あたしは手すりを飛び越えると、走り出した。
円「##NAME2##、美波!どこ行くんだよ!」
「ごめん守兄ぃ!ちょっと行ってくる!」
木「はー、ここまで来れば…」
「やっと追いいた!」
木「うわ、美波」
「なんでイタズラなんか…」
木「アイツらが俺には掃除とかばっかさせるから…」
「へー、でも何か理由があるんじゃない?」
木「…」
あ、黙った。
木「てかさ、何でこんなとこにいんだよ」
「あたしが雷門イレブンで、宇宙人達を止めるために戦ってるから。漫遊寺に襲撃予告ってきいてね」
木「そういえばそんなのあったな。ふーん…」
納得したような顔になると、どこかへ歩き出した。
「どこいくの?」
木「…掃除」
なんだかんだ言って、ちゃんとやってるんじゃん。根は真面目なんだよね。
木「何でついてくんだよ」
「え、うーん…、もっと夕弥と話したいから?」
木「はあ…」
「何でため息!?」
「すご…」
天井を雑巾が走ってる。初めて見たよ、こんなの。
木「普通だろ、これくらい」
「普通じゃないって。えい!」
ベチン
「…」
木「下手くそ」
「わかってるから言わないでよ…」
試しに蹴り上げてみたけど全然できない。…夕弥って、自分は気づいてないみたいだけど結構テクニックあるんじゃ…。
「夕弥ともサッカーしたいなあ」
木「…無理だよ。アイツらがいいって言うわけない」
「だからこっそり」
木「はあ…」
「またため息!?」
ふと道場の方を見ると、守兄ぃ達が出てくるのが見えた。
「あ」
木「行けばいいじゃん」
「…じゃあまた後で!」
木「へいへい」
…どうでもよさげな返事だな…。ま、いっか。
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