荒波少女
□第7話 エースストライカーは誰だ!!
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「うわあ…」
円「すげー…。校舎の裏がゲレンデなのか」
行き先は、校舎の裏にあるゲレンデだった。しろ君は何をするつもりなんだろ…?
「あれ?」
反対側の方を見ると、白恋中のメンバーが、大きな雪玉を抱えて待機していた。
何なんだろうと考えてたら、スノーボードの防具を装備したしろ君が颯爽と現れた。
風「それでどうやって…」
吹「まあ見ててよ。雪が僕達を風にしてくれるんだ」
そう言って滑り出す。…速い。かなりのスピードだ。
紺子ちゃん曰く、小さい頃から得意で、走るよりも滑る方がもっと速くなって風を感じるらしい。
確かに、あの速さなら風を感じられるのかも。あんなに上手く滑れたら、楽しいだろうな。
吹「皆!よろしく!」
その声を聞いた白恋中メンバーが雪玉を転がす。危ない気がしたけど、めちゃくちゃな動きを見切って、軽快に避けて、滑っていく。うわ、アクロバティック!
そんな時、木に積もった雪が落ちた。
吹「!」
急に止まってうずくまるしろ君。多分だけど、雪が落ちたのを雪崩と重ねたんだ。
守兄ぃと一朗太が駆け寄る。大丈夫だと言ってたけど、ほんの少しだけど顔色が悪く見えた。
こうしてスノーボードをすることになった。
染岡は結局は遊びの延長だとか言ってたけど、守兄ぃはやる気だ。あたしだってやる気だ。けど、
「難しそう…」
吹「大丈夫だよ。風になるんだ」
「あ、うん」
一体どうやって風になればいいんだろうか…。とりあえず滑ってみる。……。
「鬼道も塔子も一之瀬も土門も、なんでそんなに上手いのぉぉおおお!」
鬼「落ち着いてやればいけるぞ」
「無理ぃぃいいい!」
そのまま雪とこんにちは。顔中が冷たい。足が雪にはまって動けない。
風「おいおい。大丈夫か?」
「ありがとう一朗太…」
引っ張り上げてもらう。
「一朗太は調子どう?」
風「まだ慣れてないけど…、これを乗り越えればもっと速くなれる気がするんだ」
「あたしも!お互いがんばろうね!」
風「ああ!」
何度も何度も滑る。滑りなから考えたのは新必殺技の事。
「寝る前に自主練でもしようかな…」
強く、ならなきゃ…。
くたくたになるまで練習して、やっと夕飯。転びまくって打った腰が、ちょっと痛い。
円「風になるのって大変だな」
塔「しっかりしなよ。あたしは段々コツが掴めてきたよ」
吹「塔子さん筋がいいよ」
「塔子はいいなあ…」
吹「美波ちゃんだってかなり上達したじゃないか」
「そう?」
鬼「問題は全身のバランスの取り方だな」
土「ああ。スピードに乗る感覚さえ掴めば、一気に世界が変わる気と思うんだ」
「確かに!」
塔「その感覚分かる!」
染「どうだった、風丸」
風「まだまだ、体を思うように動かせない。エイリア学園との試合までにマスターしたいよ」
それぞれ話ながら教室に入る。沢山食べて明日(出来れば後でしたい自主練)に備えようと思ってたけど…。
夕飯の量は少ない上におかわり無しだった。カロリー計算はバッチリだと春ちゃんが言うけど、疲れた体には物足りなく感じる。それに30回も噛むなんて…。
…がんばろう。あ、壁山がしょんぼりしてる。
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