荒波少女
□第6話 雪原の皇子!
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白恋中に到着したあたし達は、白恋中サッカー部に歓迎された。あたし達を見る目がキラキラと輝いている。
白恋中はフットボールフロンティアには参加していない。だから、優勝した雷門が来たから嬉しいのかな。…自分で言うなとか言わないで。
個人的に嬉しかったのは、白恋には女子選手がいるという事だ。
「真都路さんと荒谷さん?」
珠「名前でいいよ!」
「え、じゃあ、珠香ちゃんと紺子ちゃん!」
紺「うん!よろしくね!」
「こちらこそよろしく!」
話していると、廊下の方から足音が聞こえてきた。
紺「あ、吹雪君が帰ってきた!」
『!』
「(しろ君が…)」
教室に入って来たのは、確かに大雪原で出会った彼だった。
反応はまちまち。大半は拍子抜けた感じだ。確証のない噂ばかりで、皆大男かと勘違いしてたからだと思う。
てかしろ君自身がよく勘違いされるって言ってた。自分の噂とか知ってるんだ…。
ムカついてますオーラを出しながら教室から出ていった染岡を、秋が追う。染岡は一番豪炎寺の離脱に反発してたからな…。
どうしたものかと腕を組んでれば、ジャージの裾を引かれた。振り向けば、そこには彼が。
吹「久しぶりだね、美波ちゃん」
「…やっぱりしろ君だったんだ」
吹「正直驚いたよ」
「あはは…、あたしも驚いた」
鬼「…まさか、知り合いなのか?」
「そのまさかです」
土「マジかよ…」
「マジなんだよ、土門」
一「美波って人脈広いね」
「そうかなあ?」
サッカーを通じて仲良くなったわけだし、サッカーのおかげかな?
「覚えててくれたんだね」
吹「うん。改めてよろしくね、美波ちゃん」
「うん!よろしく!」
鬼「それにしても、知っていたのなら何故言わなかった?」
「あー、いやー、しろ君かなとは思ったらけど、確証はなかったからさ」
鬼「そうか」
「うんうん」
しろ君の方に向き直って見てみる。久しぶりに会ったしろ君はほとんど変わっていない。
変わったといえば、しろ君がマフラーを付けている事だろうか。マフラーを付けてたのはアツ君の方だったよなあ…。
それにここに来るまで何回も考えてたけど、あたしの記憶違いでなければ、フォワードはアツ君の方で、しろ君は…
「しろ君はディフェンダーの筈なんだけどな……」
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