咎狗の血

□※細くて薄い頑丈な絆
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それなら…
それなら、何故わざと怒らせるような愚挙を繰り返すのか。
実際に聞いて問い詰めても良さそうな物なのに聞かないのは、多分互いに答えが分かっているからだろう。

アキラはこの瞬間が好きだから。
勿論、シキの狂気を目の当たりにすれば躯は竦むし抵抗もしてしまう。
だけど、何をされるか分からない恐怖心、小さく震える躯の奥底から芽生える甘い陶酔。
決して嬉しい事をされている訳ではないのに、喜んでしまうのは感覚が麻痺してしまっているからかも知れない。
そして其れを見て劣情を煽られるシキもまた同様に狂っているのだと思う。

互いに互いから離れられない位に。

「お前は何よりも痛みが好きだからな…さっきの男で満足した訳じゃないだろう?」

返事は無くとも、言葉を詰まらせるアキラを見れば答えなんて一目瞭然だった。
尤も、これまでシキの行き過ぎた躾に馴れてしまった躯が他の男で満たされる筈も無いだろう。

アキラが本当に快感を得るのは此れからだ。

明らかに不安な表情の中に、幾許かの期待に光る瞳を見れば内心でクツクツと煮え滾るように笑みが生まれる。
それを腹の中で感じればシキはアキラの腕を掴んで膝立ちに起き上がらせた。

「たっぷりと可愛がってやるから、まずはその中の残滓を掻き出せ」

既に太腿に伝う白い精液に冷たく視線を受けながらそう云われれば、何をしろと云われているのか分からない訳がない。
多少の抵抗はあるものの、アキラは其れに抗う事無く、膝を付いて立たされた足を僅かに開いて臀部の割れ目へ手を伸ばした。
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