咎狗の血

□※細くて薄い頑丈な絆
1ページ/3ページ

アキラが他の男に抱かれた後のシキのセックスはいつもに増して激しい。
其れこそ初めは呼吸さえ止まってしまう程攻め立てられたが、今は少し意味が違うかも知れない。
獰猛なまでの乱暴さは変わっていないが、態と怒りを含ませているような。

元々優しさなんて皆無なシキにとっては幾ら怒りに塗れていても、痛めつけたアキラを見て感情が満たされて快感に繋がるのは紛れもない事実だった。
だからシキは躾や仕置と名付けた感情を押し出す行為を止めない。

痛みに慣れてしまったアキラの躯、痛みから甘さを感じ取るようになった躯はその激しい責めにまで慶んで反応してしまう。
だからアキラも、例え城の主が何れ程凶猛だろうと、城の男を誘う事を止められなかった。


「また中まで汚れた精液を受け入れたのか…学習能力の無い奴だな」

抱き留めた身体を担ぐように持ち上げてベッドまで運んだ。
キングサイズのベッドはふんわりとスプリングを聞かせてアキラの背中を包み込む。
シャツの裾から惜しげなく露わになる太腿を伝う白い残滓。
其処から視線をあげてアキラの顔を見れば、先程の行為の余韻に瞳が虚ろに霞んでいる。
アキラは気付かなくても、シキの中で明らかに、歪んだ禍々しい感情が生まれていた。


「帰って来るまで我慢出来ない程、中を衝かれるのが好きか?」

「……」

「答えろ」

「…好き……だけど、シキのが1番」

イグラで会った時より素直になったアキラの言葉。
誰も信用しようとしない野良猫の様だったアキラを此所まで順応させたのは、シキの躾の賜物だ。
強めた口調で答えを促せば素直に応える。
一番好きな物は一番だと。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ