テニスの王子様

□※暑さよりも熱い情交
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蒸し暑い夏の午後。
動かなくてもただ寝転んでいるだけでうっすらと肌が汗ばむくらい部屋の中は蒸していて、窓を開けて風を入れようが気温自体が高いから入ってくる風も生ぬるい。

そんな部屋の中に2人も人が居ると言うのに冷房は付けない。部屋の主、手塚の許可が出ないからだ。
過度の冷房は身体にも環境にも悪いから、我慢出来る分には極力付けるなとの事。

正直こんな暑い時に耐えられる手塚の方がおかしいと思う。当然暑くない訳がないのに、平然とした顔で読書に耽っている手塚が憎くて堪らない。

此方は動くのもままならない位暑くてただベッドに身体を預けていると云うのに。

「手塚ァ…あちい……」
「我慢しろ」
「も、マジで無理だって…アンタクーラーが何の為に有るか分かってんのか…?」

「付けなくても死ぬ訳では無いだろう。夜は睡眠の妨げになると困るから流石に付けているが、昼くらいは耐えて暑さに慣れろ」

さっきから交渉を持ち掛けても我慢しろの1点張りで話にならない。

喉から通る空気さえも熱く感じて、喋るのも気だるいからもう冷房は諦めた。
だから、出来るだけ暑さを凌ごうと来ていたTシャツを脱ぎ払って、穿いていたジーンズも落として手塚のタンスを勝手に漁り、借りるぜ、と一言告げて見つけたハーフパンツに穿き替えた。

身に纏っていた物が減った分少しはマシになったが其れも気持ち程度でまだまだ暑さは変わらない。

手塚は見ていなくとも不服そうに顔を歪めながらもう1度ベッドへ戻った。
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