嘘吐き

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なんてこった




「ねえ
せんせ」

「なんだ」

「…なにこれ」


ふさふさした
猫耳が頭上に
はえてますよ


私の


ここ重要



しかも尻尾もはえてますよ






「知るか
お前低級の妖に
飴をもらっただろ

それじゃないか?」

















「わかってたならいってよぉおお!」






「お前がちゃんとみないのが
悪い

これをみろ」


そういって
ぱしぱしと手で飴の
包み紙を叩いている



効果1日


とだけ


しかもちっこい字で
ちんまりと書いてある

「わかるかぁ!」

ぷんぷんしながら
ごろんところがる





「ただいま」




たっ、たたたたたたたたた
貴志が帰ってきた!



「先生!先生!
変身して!
匿って!」


匿う意味が違う


気にするな

「なんで
私がしにゃならんのだ」

ふんっと
鼻をならす先生

「これあげるから!」

ずいっと饅頭を
差し出す

と同時にぼふん、と
姿を変えた

「早くしろ」

そう言われると
もそもそと
毛の中に入る

なにこれあったかい!


「先生!?」


「…さっき妖がいたからな」

うんうん
いなかった!

「そ、そうか
名無し様は?」

「知らん」


「そう」


そういって
学ランを脱ぎ始める
貴志


ええええ!?

「だだだだ、駄目!」


あ、しまった

やばい

「…阿呆が」

ぼふん、と
いつもの姿になった先生

「名無し様!?」



あわあわとして
いる貴志

ああ、見られちゃった

「え、えへへ」

とりあえず笑う

笑うしかない

「…可愛い」

「…は!?」






「その、さ」


「ん?」

「触っても、いいか?」




































きた。
これはやばい

先生に到っては
饅頭をぱくぱくと
食べている





「…いいよ」



耳だけね
と言うと
やんわりと笑って
ありがとう
と言われた

うん、どういたしまして




少し冷たい手が
ゆっくりと耳に触れる

「…っ」

少しくすぐったい

「わ
ふさふさだな」

ぱたん、ぱたんと
尻尾を揺らす

そして貴志が
手を離す




「名無し様」

「ん?」














っ可愛い…けど
もう妖から
変なもの貰うなよ

ばれてました。



































おしまい

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