嘘吐き

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「名無し様」

「んん?」

ふっと振り向くと
ふわり、と掛けられた
マフラー

「お、音也!
寒いよ?」

そう言って
彼にわたわたと
マフラーを返そうとする

「俺の親切を…
悲しいなあ…」

しゅんと項垂れる音也
もう、ずるいなあ

「あ、りがと
そうだ」

ちょっときて
と手招きする。

そして音也の首に
マフラーを巻きつける

「ど?
あったかい?」

二人でひとつのマフラーって
結構やってみたかったんだ!

私がねw

「すげえ
あったかい!」

ぎゅう、と
手も繋いでくれる
音也。

あ、幸せだな




「ねえ、音也!」

「ん?」











「Happy Valentine!」









そういって差し出したのは
チョコのカップケーキ。

膨らまなかったりして
結構大変だった。

うん

普段お菓子作りとか
しないからなあ…。

春ちゃんとか
友ちゃんとか
物凄く上手かったもんね



「…名無し様!」

そう言ってがば、と
抱きついてきた音也

「っふふ」

ぎゅ、と抱きしめ返すと

にっこりと笑った



「これからもずっと
一緒いろよ?」

「うん!」













繋ぎなおした手は

(あったかくて)

(大好きな人の)

(温度でした。)

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