原作沿い2

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「どうですか?」
「へぇ、なかなかだな。」

どうやら借りてきたDVDは好評のようです。


【戦う理由】


「これなら氷川さんも楽しめるかなって思って。」

氷川さんにお茶を渡しながら話かける。
氷川さんはテレビを見ながらだけどお茶を受け取ってくれた。

「わざわざ探さなくても良かったのに…」
「私がしたくてした事ですから気にしないでください。」
「そうか…さんきゅ。」

氷川さんの手が私の頭をポンポンと叩く。
なんか、お兄ちゃんができたみたいで素直に嬉しいな。
お兄ちゃんがいたら…こんな感じだったんだろうか。

「あ。」
「?」
「ここのシーン良いな。もう一回。」

そう言って氷川さんがDVDを巻き戻す。
そして、再生した。
氷川さんが気に入ったのは、言葉にはできないようなとにかくグロいシーン。
私もそれをジッと見つめる。

「こういうの、やっぱり好きなんですね。」
「嫌いじゃねぇよ。」

これを選んで良かった。
そして、次回からはこういうのを借りてくれば良いんだね…。
後で色々検索かけてみよっと。

「ぎょんぎょんはこういうシーン平気なのか。」
「前はちょっと…って感じでしたけど、今は慣れましたね。」
「まぁ、リアルで体験してるからな。」

その通り。
一度リアルで体験してしまうと、映画はただの作り物。
怖くなくなってしまった。
…なんと可愛くない女なのだろうか…。
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