原作沿い2

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一人、皆を待つ。
もしかしたら何処かにまだ敵がいるかもしれない。
だけど、動けない。
動いて敵に会ったらどうしよう。
私は今、とても弱い。


【弱い自分等消えてしまえばいいのに】


「…。」

私は、無力だ。
何もできない。
金髪さんに抵抗する事だってできない。
スーツをその前に壊されてしまうから。

「…。」

死ぬのが怖い。
もう一度死んだ身だというのに。
本当なら生きていないはずなのに。
それでも死ぬのが怖い。

「…くっ…うぅ…」

怖い。
でも、それよりも怖い事がある。
何もできない私。
正直、後から入ったメンバーの方が私よりも動けてる。
稲森さんと北条さんもどんどん実力をつけていっている。
なら私は?
私はどうなんだろう。

「…。」

私は…いつも誰かに守られている。
いつも誰かに助けてもらっている。
自分から戦ってるように見えるだけだ。
結局はいつも誰かが私を助けてくれてる。

「…。」

西君が死んでいた時、私は今よりも動けていた気がする。
目標を達成した人間は、こんなにも無力なんだろうか。
こんなにも……駄目になってしまうのだろうか。

「このままじゃ…」

このままじゃ、私のせいであの三人が危険に晒されてしまう。
そんなのは嫌だ。

「私は…」

死ぬのは怖い。
だけど…それよりも、誰かに迷惑をかけて、誰かの命を危険に晒してしまう事が…

「何よりも…怖い…」

私はゆっくりとXガンを手に持った。
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