原作沿い2
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「動いたら、こいつ殺すぜ?」
金髪さんの目が、本気すぎて怖いです。
【吸血再び…】
「てめ…!」
西君がギリッと歯を鳴らす。
北条さんと稲森さんの顔にも冷や汗が流れている。
金髪さんはニィッと笑んだ。
「何だ、お前ら全員この女に惚れてんのか。」
「「「!」」」
…いきなり何を言い出すんですか、この金髪さんは。
「あぁそうだよ悪ぃか!?」
「ぎょぎょっを好きなのは俺だけで良いんだけどな。」
「ホモてめぇぶッ殺すぞ。」
そして三人も何を言ってるんですかね…。
いや、好かれるのは嬉しいんですけどね?
でも、状況が状況のせいであんまり喜べないというか…。
「うわぁっ!?」
「「ぎょぎょっ!!」」
「ぎょんぎょんに何しやがる!?」
急に視界がグンッと動いたと思ったら
「な…何ですかこれ…!?」
「暴れんなよ。」
金髪さんにお姫様抱っことやらをされていた。
ま、まさかの展開についていけない…!
「運が良かったなお前ら。」
金髪さんが西君達に不敵な笑みを向ける。
「今回、俺らは手を出すなって言われてんだ。攻撃を仕掛けても避けはするが、攻撃はされねぇんじゃねぇか?」
そう言って視界に映った他の吸血鬼の三人。
多分…西君達でも勝てない…。
「西君…稲森さん…北条さん…」
「「「?」」」
「私は大丈夫ですから…他の人達を助けに行ってあげてください…!」
「「「!?」」」
三人に死んでほしくはない。
それを願っての、私の答えだ。
「…良い子だ。」
金髪さんが、満足そうに笑った。