原作沿い2

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「おはよう、西君。」
「…おはよ。」

あのミッションから、少しだけ気まずい。


【自惚れても良い?】


私は朝ご飯を用意して、西君の前に置く。
今日は私も西君も学校を休んだ。
別に、気にしてない。
ただ、西君が

―俺も休むからお前も休め―

って言ったから。
北条さんは学校、稲森さんはバイト。
私と西君は、二人きり。

「…美味しい?」
「…まぁまぁ。」

いつもと変わらない。
だけど、何かが違う。
あのミッションが、私と西君の関係を変えてしまった気がする。
まぁ、そりゃそうだよね。
だって私達、敵同士だったんだもん。
だけど、

―ふざけンな!俺の許可無しで死ぬな!!おい!!―

あの言葉はすごく嬉しかったんだ。
あれが嘘でも本当でも良い。
ただ、西君の声でそれが聞けて嬉しかったんだ。

「…。」

お皿を洗いながら西君の横顔を見つめる。

「…。」

西君はどうして今私の家に来てくれているんだろう。
どうして泣いてくれたんだろう。
ねぇ西君、私の片想いなんだよね?
西君はまだ私の事を…

「何。」
「あっ…!」

やばい、見過ぎた。
私は西君からサッと目をそらす。
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