原作沿い2

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「やめてェッ!!」

玄野さんの所へ辿りついた時、小島さんの後ろ姿が見えた。


【温かい涙】


走る小島さんの奥にボロボロになった玄野さん。
そして…そんな玄野さんを見下ろす

「西君…。」
「…よぉ。」

西君は私を無表情のまま振り向く。
何も言う事が見つからない。
いや、私が何か言ったって…私達は敵同士だから。

「イヤアッ!やめてエエッ!!」

小島さんが玄野さんに向かって走る。
駄目だ…そのまま行ったら…西君がいるから…!

「っ!?」

上から殺気を感じ、咄嗟に上を見る。
そこにはガンツソードを持った和泉さんの姿。

「あっ、ぎょぎょっ!?」
「おい!」

私は直後、走り出していた。
考えるよりも先に、体が先に動いていた。
私は小島さんを抱きしめる。
そしてそのすぐ後に…

「あ…」

和泉さんのガンツソードが、私の体を切り裂いた。

「げほっ…」
「ぎょぎょっ…!?」
「「ぎょぎょっ!!」」

どうしよう、すごく痛い。
口からも、すごい血が出た。
だけど…だけど…小島さんを守れたから…良い…かな…。

「小島…さん…行って…ください…」
「あ…ああぁあ…」
「玄野さんが…待って…ますから…」

私は小島さんの背中を押す。
小島さんの後ろ姿が遠くなっていく。
私の体は何か温かいものに包まれた。
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