原作沿い2
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「おらあぁああっ!!」
「ぱつきんやるじゃんか。」
片方のT-レックスを殺したのは稲森さんだった。
もう一匹は玄野さんを追って姿を消してしまった。
【私が死ぬのは貴方が許可をくれた時】
「すごいです稲森さん!」
「へへへ…」
「玄野、無事だと良いんだけどな。」
「どーでも良いし。」
玄野さんの姿が見えなくなって数分。
玄野さんは戻ってきた。
だけど…
「あっ!」
玄野さんの体がバイクから吹き飛ばされる。
起き上がる玄野さんを待ちかまえるのは、T-レックス。
「玄野さん!!」
「俺は不死身だッ!不死身だッ!!」
玄野さんが叫びながらT-レックスを挑発しだした。
「玄野さんを守ります!!」
「わ、分かった!」
「構えろ!」
「チッ…何でだよ…。」
何故玄野さんを守っているんだろう…私。
西君を見捨てた人なんだよ?
なのにどうして…
―うぅうう…―
チビ星人の時の、玄野さんが忘れられないんだろうか。
何故か分からないけど、もう玄野さんの泣く顔は見たくない。
見たくないんだ私。
「ごめんね西君…。」
「あ?」
「私も、偽善者みたいだね…ごめん。」
嫌われてしまうかもしれない。
西君に、嫌われてしまうかも…だけど、どうしても助けたかった。
西君は少し黙って、
「お前らしくて良いンじゃねーの?」
と呟いた。
西君は…優しいなぁ。