原作沿い

□38
1ページ/5ページ

「はぁっ…はぁっ…」

私は逃げていた。
何が起こっているのかも分からず逃げていた。
ただ、あの乱射音から逃げたくて。
お店に逃げようとしてもシャッターが降りているから入れない。
何処に逃げれば良いんだろう。


【惨劇の舞台に私はいた】


何処か裏道に入ろうとしても人の流れがすごすぎて出れない。
ここで少しでも止まったり、曲がろうとすれば人にぶつかる。
そして逃げ遅れて死んでしまうかもしれない。
そんなのは絶対に嫌だ…!

「うっ…うぅ…」

何でこんな事になってるんだろう。
私、ただ買い物に来ただけなのに。

「ぐすっ…」

西君…西君、怖い、怖いよ…。
私…ここで死んじゃったらどうしよう。
きっと、あのガンツのリストにも表示してもらえない。
つまり、私はもう一生…会えなくなるんだ…

「ひっく…」

稲森さんにも…

「う…」

北条さんにも…

「ぐすっ…うぅ…」

そして、西君にも。
嫌だ。
そんなの絶対に嫌だ!

「生きるんだ…生きる。」

逃げきってやる。
そしてまた、あの三人に会うんだから…!!
私は走るスピードを上げた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ