原作沿い

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「何だ…?俺は一体…?」
「あ…あ…ああぁ…」
「…ぎょぎょん?」


【おかえり】


私は西君に抱きついた。
西君は目を見開いて驚いたけど、避ける事はなかった。
私は久しぶりの西君の体温を、そして匂いを感じた。

「西君…良かった…本当に…良かった…。」
「ぎょぎょん…俺は…」

西君、まさか覚えてないのかな?

「西、お前死んだんだぜー?」
「…!?」

稲森さんの言葉に西君の顔色が変わる。

「…マジかよ…。」

本当なのか?そう聞いているような表情を向けられ、私はゆっくり頷く。
そして自分の死を再確認し、西君は舌打ちをした。

「だッせぇ…」

私はギュウッと西君に更に強く抱きつく。
本当に良かった。
涙がボロボロと溢れる。
それを見た西君が、ニィッと笑った。

「何泣いてンの?」
「う…っ」
「そンなに俺に会いたかッたわけ?」

そんなの…そんなの…

「当たり前だよ!!」
「…!!」

その言葉を引き金に、私の目から大量に涙が溢れ出した。
とても恥ずかしい奴だと思う。
こんなに大量に涙流して、西君に抱きついて大声出すなんて。
だけど…

「うわああぁああぁんっ!!」

嬉しいんだもん…!!
西君はゆっくりと私の背中に手を回してくれる。
そして…

「悪かッたよ…」

と抱きしめてくれた。
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