原作沿い

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「一緒に出かけないか?」

北条さんが、学校に私を迎えに来てそう言った。


【おでかけ】


「お出かけ…ですか?」
「あぁ。」
「いつですか?」
「あ…えと…今日でも良いけど…。」
「今日ですか?」
「…あぁ。」

いつもは迎えに来てもらって、家に送ってもらう。
それだけ。
だけど、今日はお出かけがしたいらしい。

「何処に行くんですか?」
「…。」
「もしかして決まってないんですか?」
「…すまない。」

どうしても行きたい場所があるのかと思っていたけど違うらしい。
ならどうしよう。
出かけたいって言っているのに帰るなんて酷い事できないし。

「喫茶店行きますか?」
「喫茶店…?」
「駄目…ですか?」

とりあえずゆっくりできる所なんてどうかな?
そう思って提案してみたけど…微妙な顔をしている。
もしかして喫茶店には嫌な思い出があるんだろうか…

「あ、えっと…じゃあ…」
「分かった。喫茶店にしようぜ。」

あれ…良いの?

「嫌なら良いんですよ?」
「ん?何で嫌なんだよ?」
「え、何か嫌な思い出があるとかじゃ…」
「いや別に?」

…なーんだ…。
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