原作沿い

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「それじゃあ、稲森さんバイトまでの道、気をつけてくださいね。」
「分かってる分かってる。」
「それじゃあ北条さん、学校…」
「送ってく。」
「…へ?」


【三人目のお迎え人】


私は学校までの道を北条さんと歩く。
稲森さんは「ちくしょう!ホーモホーモ!!」と言いながらバイトへ行ってしまった。

「あの、学校…遅刻したりしませんか?」
「あぁ、ここ丁度通り道だから。」
「あ、そうなんですか?」

私のせいで遅刻なんてしたら…と思っていたけどどうやら大丈夫らしい。
ホッとした。
だけど、こうやって落ち着いて見ると…やっぱり格好良いなぁと思う。
北条さんの顔、すごく綺麗だ。

「見てー。」
「やば、超イケメン。」

だって、皆北条さんの事見てる。
見る女性皆、顔赤らめてるんだもん。
そのせいなんだろうなぁ…。

「ねぇねぇあの子。」
「うわ、暗そう…何であんな子と一緒にいるんだろ?」
「引き立て役じゃない?」
「あ、ありえる〜!」

私へ憎しみのこもった言葉が投げられてくるのは。
いや、本当はヒソヒソ言ってるつもりなんだと思う。
そのつもりなんだろうけど…めっちゃ聞こえてます。
女性って何で悪口を聞こえるくらいの大声で言うのが好きなんだろう。
楽しいのかなぁ?

「チッ…女ってめんどくせーな。」
「…あ、すみません。」
「お前の事じゃねぇよ。お前は、全然良い。」

北条さんがポンポンと私の頭を軽く叩く。
あ、今さっきの人達が悔しがってる。
えへへ…なんか良い気分かも?
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