原作沿い

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あの恐ろしい悪夢が終わった次の日の朝。
目を覚ますと…

「………え?」

私の右に稲森さんの寝顔。
左に北条さんの寝顔。
一体これは…何?


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「…。」

神様…いや、西君…この状況は一体何なの?
あれ?
神様のままで良かったんじゃ…いやいや、そんなのどうでもいいんだけど。

「んっ…」
「!」

声がして振り向くと、稲森さんの眉間に皺が寄っていた。
お、起きちゃう?

「…すー…」

ホッ…だ、大丈夫そうだ。
北条さんは起きてない…かな…。
そう思って北条さんを見てみる。

「すー…」

あ、寝てる。
…そっか、私達、三人とも生きて帰ってこれたんだよね。

「…。」

二人とも、綺麗な顔。
私、きっと二人の光に消されちゃうんだろうな。
だって暗いし…どうせ暗子だし。

「…。」

生きて…帰ってきた…。
私達、三人は…だけど…

―願わくば…アイツが…一人で…強く…生きて…―

だけど…

―幸…せに、なれます…ように…―

加藤さんは、死んでしまった。
岸本さんも、貞子さんも…死んでしまった。
目が潤んできたのが分かった。
あぁ、何でこんなに泣いちゃうんだろう。
声を殺して泣いていたら、手が伸びてきた。
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