原作沿い

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「あれ?このお坊さん…テレビで見たことある…」

…知らないなぁ


【仲の悪い二人】


「己の死をどう捉えてよいか混乱しておるだろう。」
「…どこだ?ここは…」

変な事を言っているお坊さんに、加藤さんが質問を投げる。
多分、様子見か何かのつもりなんだろう。
それか、本当にこの部屋の事を知っているかどうか…とかね。

「わかりやすく言うと、極楽浄土に往生する前のためしの場所とでも言おうか。」

何言ってんだろう、この人。

「ためしの…場所?」
「死者をふりわける場所だ…極楽か…地獄かに…。」
「なるほど…どーやったら極楽に行ける?」
「念仏を唱えるのだ。南無阿弥陀仏と…ひたすら唱えるがよい。唱える者は極楽浄土に行き、唱えぬ者は無間地獄に堕ちる。」

…くだらない。
加藤さんが説明したのに、誰も信じない。
しかもなんか本当に唱えだしちゃったし…。

「…。」
「馬鹿くせー。」

稲森さんは馬鹿にしたように笑って床に転ぶ。
私はというと…

「…離れろよ。」
「そっちが離れてくれませんか。」
「はぁ?最初に座ってたの俺だし。」
「そういうの関係ないんで。」
「はぁあ?」

学生さんとバトっていた。
学生さんと言い合っていると、稲森さんがくっくっと笑う。

「面白い事教えてやるよぎょんー。」
「え?」
「そいつホモだぜ。」
「……え?」
「ち、違う!!」

私は学生さん…いや、ホモの学生さんから距離をとった。
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