原作沿い
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次の日、私を迎えに来てくれたのは西君ではなく…
「…よっ。」
稲森さんだった。
【協力】
西君はもう来ない。
分かっているのに、待ってしまった。
下校時間になるまで、待ってしまった。
その間、稲森さんもずっと私を待っていたらしい。
この寒い、外で。
「私のせいで風邪をひいてしまったらすみません…。」
「ん…ぎょんの気持ちは分かってるから。」
「…。」
「あの姿を見ても、待ちたいんだろ?」
「…はい。」
死んだなんて、信じたくなかった。
帰る時に、ガンツに見せてもらった。
死んだ人のリストに、西君が入っているのを…。
「俺奢るから、何か食べて帰ろーか。」
「え…。」
「ん?」
「稲森さん、フリーターでしたよね?」
「…そうだけど。」
「…お金、あるんですか…?」
「…意外にストレート打ってくるね…ぎょん。」
あ…稲森さんヘコんじゃった…。