原作沿い
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西君が死んだ。
私はボーッとただ座って西君を見つめていた。
手を、握ったまま。
もう…西君の手に…力は無いけれど…。
【決意】
「自由になりたいやつは、俺の言うことをきけ!!」
加藤さんが皆にもう一匹の田中星人を一緒に倒すように呼びかけている。
私は、どうすればいいんだろう。
西君から、離れたくない。
「さっき言ってたよな…自由になる方法とか…点数がどうとか…」
学生さんは意外に冷静だ。
「ハッキリ言っておまえを信じて命をあずける気はしない。でも、さっき帰ろうとしたら、なんだか全員頭のあたりからアラームが聞こえて一人、頭が吹き飛んだ。」
…私はゆっくりと立ち上がる。
今さっきまで怖かった暴走族も、なんか、もう怖くない。
「そうだよ。」
「…ぎょぎょんちゃん?」
返事をした私に驚いた視線を向けてくる加藤さん。
稲森さんもビックリしていた。
私はコントローラに地図を表示させる。
そこには境界線を示す線も一緒に表示されていた。
「この四角形のエリアから出ると、頭がバーンッて爆発するの。」
だから…
「だから帰れって言ったの。」
暴走族の一人が私の胸倉を掴みあげる。
「てめぇ…俺らを殺すつもりだったのか…!?」
「そうですけど何か?」
「この野郎!撃つぞコラ!!」
私の額に銃が当てられる。
そして同時に…
「何やってんだコラ…」
稲森さんの銃が、スーツを着ていない方の暴走族の頭に当てられた。