原作沿い

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「ごいつを゛ッ殺しでッ…!」
「西君っ!」


【西君の死】


西君の声を聞いて、体が動くようになった。
そうだ。
私は、私はまだ西君を助ける事ができるんだ…!

「殺じれ゛ぐれ゛ッ!全員帰れるッ!俺も無傷れッ…はやぐッ!!」
「殺す…!?」
「じゅうでッ、銃で撃でッ!!」

私は銃を構える。
正直怖い。
まだこの銃を使った事なんて無いから。

「うっ…ひっく…西君…」

だけど、やるしかない。
いや、やってやるんだ…!

「!?」

田中星人が川の中に沈んだ。
いや…潜ったんだ!

「ぎょん!気をつけろ!!」
「ばァーッカ!おまえらも死んでろっ!!」

外野の声が聞こえてくる。
だけど…こっちに集中しないと、西君を助けられない。

「足気ィつけろ〜バーカ!」
「食いちぎられるぞォッ!」
「オラ、下半身なくなるぞっ、オラッ!」
「怖えーっ!はっはっはっ!!」

うるさい…うるさい、うるさいうるさい。

「うるさいっっっっ!!!」

シン…と静まった。
誰も、何も喋らなくなった。
だけど私は言葉を続ける。

「ふざけた事しか言えないなら帰って!気が散る…帰れっ!!」

私は何を言ってるんだろう。
暴走族相手に何て事を言っているんだろう。
だけど、だけどむかついたんだ。
あんな…あんな人達、どうなっても良い…!

「んだよあのアマ…!あ〜っ、なんかどーでもいーや。なんでこんなとこいるんだ俺たち。」
「帰ろーぜ、帰ろ。」
「そーだ。なんだよ。バカみてー。意味わかんね。」

そうだ、帰れ。
西君に聞いた。
歩くにつれて大きくなるあの音は、頭に埋め込まれた爆弾の音だって。
境界線を越えると頭が爆発して死ぬんだって。
死ね、死んでしまえ。
そのまま境界線を越えて…爆発してしまえば…良いんだっ…!
あぁ、自分はなんて醜いのだろう。
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