原作沿い

□12
1ページ/5ページ

「どこだよここっ!!誰か説明しろっ、てめえら!」

怖そうな人達が部屋の中で怒鳴る。
だけど、前回参加した皆は何も教えようとしない。
まぁ、確かにこんな態度とられたら教えたくもないよなー…。
稲森さんを見ると、目を閉じて壁に寄り掛かっていた。


【嫌な予感】


「おいそこの背のデケーの。」
「俺が聞きてーっつの。」

ゾク…って言ってるから暴走族か何かかな?
暴走族の一人が新しく来た学生に声をかける。
それにしても、あの学生さん格好良いなぁ。
すっごく綺麗な顔してる。
何かやってたのかな…モデルとか。

「…はぁ。」
「どーしたの?」
「いえ…。」

何でここに来る人って綺麗な顔の人、多いんだろ…。
元々自信なんて無かったけど、更に自信持てなくなっちゃう。

「おいおい…。」

稲森さんの呆れた声が聞こえ、視線を追ってみた。
そこには暴走族に囲まれた岸本さんの姿。
加藤さんが助けに入って、緊迫…かと思ったら、

「お家に゛〜帰りだ〜い゛〜!!」

という子供の声によってそれが崩れた。
暴走族の人達の意識がその子供…おばあちゃんが呼ぶには亮太君…に向けられた。
子供に怒鳴るなんて、なんていうか嫌な人達。
大人気ない。

「…。」

突然加藤さんが立ち上がる。
そして…

「ここにいる全員が生きて家に帰るために、できるだけ情報をみんなに伝えたい。」

と言った。
それに真っ先に反応したのは西君。

「やめろっ!!」

多分、前みたいに皆を騙そうとしてたんだと思う。
相当…焦ってるみたいだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ