原作沿い
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「どこだよここっ!!誰か説明しろっ、てめえら!」
怖そうな人達が部屋の中で怒鳴る。
だけど、前回参加した皆は何も教えようとしない。
まぁ、確かにこんな態度とられたら教えたくもないよなー…。
稲森さんを見ると、目を閉じて壁に寄り掛かっていた。
【嫌な予感】
「おいそこの背のデケーの。」
「俺が聞きてーっつの。」
ゾク…って言ってるから暴走族か何かかな?
暴走族の一人が新しく来た学生に声をかける。
それにしても、あの学生さん格好良いなぁ。
すっごく綺麗な顔してる。
何かやってたのかな…モデルとか。
「…はぁ。」
「どーしたの?」
「いえ…。」
何でここに来る人って綺麗な顔の人、多いんだろ…。
元々自信なんて無かったけど、更に自信持てなくなっちゃう。
「おいおい…。」
稲森さんの呆れた声が聞こえ、視線を追ってみた。
そこには暴走族に囲まれた岸本さんの姿。
加藤さんが助けに入って、緊迫…かと思ったら、
「お家に゛〜帰りだ〜い゛〜!!」
という子供の声によってそれが崩れた。
暴走族の人達の意識がその子供…おばあちゃんが呼ぶには亮太君…に向けられた。
子供に怒鳴るなんて、なんていうか嫌な人達。
大人気ない。
「…。」
突然加藤さんが立ち上がる。
そして…
「ここにいる全員が生きて家に帰るために、できるだけ情報をみんなに伝えたい。」
と言った。
それに真っ先に反応したのは西君。
「やめろっ!!」
多分、前みたいに皆を騙そうとしてたんだと思う。
相当…焦ってるみたいだ。