原作沿い

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「怯えてンの?良い表情するね…まぁ、顔よく見えねーけど。」


【西 丈一郎】


足を止めて辺りを見回す。
だけど、誰の姿も見当たらない。
不気味に感じていると、

バチッバチッ

「!?」

電気が流れるような音が聞こえた。
音のした方に振り向くとそこには…

「あ、君は…!」

―催眠術だったら幻覚見せることなんて簡単なんだよ。―

この状況をゲームだと皆に教えた男の子がいつの間にか立っていた。
しかも、なんか、不敵な笑みっていうか…ニヤニヤしてる。

「あンたさ、俺の事、疑ッてただろ?」
「え?」
「俺の話、信じてなかッただろ?」

楽しそうに声をかけてくる男の子。

「…名前。」
「ん?」
「私、君の名前知らない。」
「俺は知ッてるよ。あンた、ぎょん ぎょぎょんだよな。」

何気に聞いてたんだ…。

「君は?」
「西…西 丈一郎。」

西…君かぁ…。

「よろしくね、西君。」
「あンた…」

わ、スルーされた。

「何で俺の話、信じなかッたんだ?」
「…別に。」
「?」
「私が死んだ時のあの感覚を、嘘だとは思えなかったから。」
「…ふーん。じゃあなンで何も知らないくせにスーツちゃんと着て来たの?」

それは…

「西君が着てたの見たから…かな。」
「…へー?」
「西君は、色々知ってそうだから。だから、同じように準備すれば大丈夫かもしれないって思ったの。」
「…あンた、結構考えてンだな。根暗なくせに。」
「最後いらないと思うんだけど。」

どうせ暗いですよ。
っていうか、この髪型が駄目なのかな…面倒だから切ってないだけなんだけど。

「面白ぇ。」
「え?」
「あンた面白い。」

これは…褒められているんだろうか…。

「で、どうすンの?」
「何が?」
「これから、あンたはどうしたら良いと思ッてンの?」

これから…か…。
最初は稲森さんと出会えればって思ってた。
だけど、西君に会った今、それは変わった。
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