原作沿い

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人生の終わり方とは、それはそれはたくさんあるもので。
私の人生の終わり方とは、それはそれは馬鹿らしかった。


【人生の終わり そして始まり】


いつもと変わらない毎日を、いつもと変わらず過ごしていた私。
そんな私に急に襲いかかってきた人生の終わり。
なんとも馬鹿らしい、私の最期。

「あ、今日はカレーにしよう。」

今日の晩御飯を考えながら歩いていた私。
空を見たまま歩き続ける私。
そのままずっと歩いていたら、

「あれ?」

いつの間にか地面のない場所に出てしまった。

「あ…」

人はいつ死ぬか分からない。
もしかしたら明日死ぬかもしれない。
もしかしたら数分後、いや数秒後に死ぬかもしれない。
まさにその通り。
死とは常に隣り合わせ。
どうやら私はその死と目を合わせてしまったらしい。
だけど…

(何でこんな死に方なんだろう…)

なんとも馬鹿らしくて、なんとも笑える死に方。
あぁ、神様恨んでやるんだから。
あれ?この場合は…死を恨めば良いのかな?
なんて思いながら真っ暗になっていく視界。

(あぁだけど…)

こんなコメディみたいな死に方はある意味良かったのかもしれない。
死への恐怖を感じる暇なく、死んでしまったから。
さぁ、あの世はどんな所だろう。




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