原作沿い3
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「西君!」
私達が西君に追いついた時、西君は落下していたガンツの前で肩を落としていた。
戸惑いながら近づいた私達の目に映ったもの、それは…
「う…そ…だろ…。」
息絶えた玉男さんの姿だった。
【私達の敵】
「これ…これってさ…」
稲森さんの顔が真っ青になる。
北条さんは歯をガチガチと鳴らしていた。
「玄野達、どうなってまうんやろ…。」
「さぁな…。」
ガンツを失っただけでこの絶望感。
私達以上にガンツに頼っていた西君はどれだけの絶望を感じているのだろう。
私は西君の背中を見つめる事しかできなかった。
「…。」
数分してから西君が立ちあがる。
そして、歩きだした。
私達は何も言わずにそれについていく。
北条さんは震える体でタケシ君を抱きあげようとしたが、
「ええよ、俺がつれてく。」
それを見た桑原さんが北条さんの前からタケシ君を抱きあげた。
そして、優しくポンッと北条さんの背中を叩いていた。